淡々三国志

呉書第十、蒋欽伝

四、関羽討伐直後に没す

4.

權討關羽，欽督水軍入沔，還，道病卒。權素服舉哀，以蕪湖民二百戶、田二百頃，給欽妻子。子壹封宣城侯，領兵拒劉備有功，還赴南郡，與魏交戰，臨陣卒。壹無子，弟休領兵，後有罪失業。

（訳）

孫権が関羽を討伐すると

蒋欽は水軍を監督して沔水へ入った。

帰りの道中、病で卒してしまった。

孫権は素服で挙げて悲しみ

蕪湖《ぶこ》の民二百戸、田二百頃を

蒋欽の妻子に支給した。

子の蒋壱《しょういつ》は宣城《せんじょう》侯に封じられ

兵を統領して劉備を拒ぐ功績をあげた。

戻って南郡へ赴き、魏と交戦したが

陣に臨んで卒した。

蒋壱に子はなく、弟の蒋休《しょうきゅう》が兵を統領した。

その後、罪を犯して家業を失った。

（註釈）

関羽討伐の直後に呂蒙《りょもう》と蒋欽死んでて

まじで呪いみたい。

「祁奚に倣おうとしているのか？」や

読書を勧める逸話、死期など

呂蒙と蒋欽はコンビであるかのような

錯覚に陥ってしまう。

韓当や周瑜伝でも見てきたけど

孫呉は親が死ぬと子が軍勢を引き継ぐ。

蒋欽のジュニアは、蒋欽の軍を率いて

そのまま蜀や魏と戦った。

蒋壱は魏との戦いで戦死。

その弟が軍勢を継いだが、

どこかでポカをやらかしたようだ。

蒋欽評価

・戦闘　★★★★★★ ６

賊の平定に東奔西走。

・戦略　★★★★★ ５

特に加点要素はなかった。

・内政　★★★★★★ ６

意外と文武両道。

県長から訴訟の事も取り仕切る。

程普から見てきてふと思ったけど

孫呉が封地叙任する時って

食邑○○戸……とか書かないな。

・人格　★★★★★★ ６

倹約家。

部下が処分されたとき、

賈復《かふく》は寇恂《こうじゅん》にキレてたけど

蒋欽は似たような状況下で

徐盛《じょせい》にキレなかった。

次は傷だらけの周泰《しゅうたい》伝。