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淡々三国志  作者: ンバ
蜀書第六、馬超伝
41/603

註三、生にしがみつく

註3.

典略曰:建安十六年,超與關中諸將侯選、程銀、李堪、張橫、梁興、成宜、馬玩、楊秋、韓遂等,凡十部,俱反,其衆十萬,同據河、潼,建列營陣。是歲,曹公西征,與超等戰於河、渭之交,超等敗走。超至安定,遂奔涼州。詔收滅超家屬。超復敗於隴上。後奔漢中,張魯以為都講祭酒,欲妻之以女,或諫魯曰:「有人若此不愛其親,焉能愛人?」魯乃止。初,超未反時,其小婦弟种留三輔,及超敗,种先入漢中。正旦,种上壽於超,超搥胷吐血曰:「闔門百口,一旦同命,今二人相賀邪?」後數從魯求兵,欲北取涼州,魯遣往,無利。又魯將楊白等欲害其能,超遂從武都逃入氐中,轉奔往蜀。是歲建安十九年也。


(訳)

典略にいう。

建安十六年(211年)、

馬超は関中の諸将侯選(こうせん)程銀ていぎん李堪りかん張横ちょうおう

梁興りょうこう成宜せいぎ馬玩ばがん楊秋ようしゅう、韓遂ら

およそ十部とともに反乱を起こした。


その軍勢は十万に及び、

ともに黄河・潼関に拠り

陣営を建て連ねた。


この年、曹公は西征して

馬超らと黄河・渭水の

合流地点に於いて戦い

馬超らは敗走した。


馬超は安定に至ると、

かくて涼州へと出奔した。


みことのりによって馬超の家族は捕えられ

皆殺しにされた。


馬超はまた隴上において敗れ

のちに漢中に出奔した。


張魯は馬超を都講祭酒とこうさいしゅに任命し

娘を馬超に妻合めあわせようとしたが

ある者が張魯を諌めて言った。


「このように家族を愛さない人間が

どうして人を愛することができましょう」


張魯は(馬超と娘の婚儀を)取り止めた。


それより昔、馬超が反乱を起こす以前

馬超の妾の弟の董种とうちゅうは三輔に留まっていた。

馬超が敗れるに及んで、

董种は先に漢中へと入国した。


元旦、董种が馬超のもとへ年賀に訪れると

馬超を胸を叩いて血を吐きながら言った。


「一門の百口は、

一日にして命を落としてしまった。

今、二人で相祝うことができようか」


後になって馬超はしばしば張魯に兵を求め

北進して涼州を攻め取ろうとした。

張魯は遣って往かせたが、利は無かった。


また、張魯の将の楊白ようはくらが

その才能を除こうとしたため

馬超はかくて武都から

てい族の拠点へと逃げ込み

転じて出奔し、蜀へ向かった。

この年は建安十九年(214年)である。


(註釈)

「典略」は古代から

魏代に於けるまでの通史で

そのうち魏代について記したものを

魏略ぎりゃく」と呼んでいるとかなんとか。


でも韓遂の呼び方が違ってたりで

実際のところはようわかりません。


魏延が長安強襲する作戦の逸話などは

「魏略」の出典です。


馬騰の出自について

詳しく述べられていたりするので

確かに、後漢の史書としての

側面も持ち合わせています。


現代では典略は散逸し、

殆ど残っていないそうです。

著者の魚豢ぎょかんも謎だらけの人物です。


三国志本文では楊秋、成宜、李堪の三人が

馬超と反乱を起こした軍閥として

紹介されていましたが、ここでは

侯選こうせん程銀ていぎん張横ちょうおう梁興りょうこう馬玩ばがんらが

加わっています。


三国志演義ではこの八名は

韓遂の「手下八部」。


また、吉川英治よしかわえいじ三国志では

韓遂の「旗本八旗」

として紹介されています。


また三国志演義では

李堪りかんの名前が李湛りたんになってます。

昔やった天地を喰らう2ってゲームでも

〝李湛〟だった記憶があります。


潼関の戦いにしか出てこないので

いまいち知名度の低い八人ですが

蒼天航路の馬玩は死ぬほどかっこいいです。


ここでは馬超や韓遂と徒党を組んだ

軍閥というだけで、主従関係に

あるか否かには特に言及されていません。


樊城で関羽に斬られた龐徳も

漢中までは馬超に属していたのですが

彼は劉備のもとへは走らず、

曹操が漢中を降した際に帰順しています。


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