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註一、厳顔の歎息
続いて裴註の「華陽国志」です。
関羽伝は蜀記の引用がたくさん
ありましたが、張飛伝では
この一箇所のみです。
註1.
華陽國志曰:初,先主入蜀,至巴郡,顏拊心歎曰:「此所謂獨坐窮山,放虎自衞也!」
(訳)
華陽国志にいう。
当初、先主が蜀に入って巴郡に至ると
厳顔は胸を叩いて嘆息して
「これこそ所謂、一人で山奥に坐し
虎を放って自衛するようなものだ!」
と言った。
(註釈)
厳顔は三国志の全文の中で
ここにしか出てきません。
義士っぽくて、かっこいいのに、残念。
三国志演義における厳顔は老将で
黄忠とおじいちゃんコンビを組んで
曹軍と戦う見せ場を与えられています。




