表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
淡々三国志  作者: ンバ
呉書第十、甘寧伝
274/603

註五、濡須口の戦い、江表伝ver

註5.

江表傳曰:「曹公出濡須,號步騎四十萬,臨江飲馬。權率衆七萬應之,使寧領三千人爲前部督。權密勑寧,使夜入魏軍。寧乃選手下健兒百餘人,徑詣曹公營下,使拔鹿角,踰壘入營,斬得數十級。北軍驚駭鼓譟,舉火如星,寧已還入營,作鼓吹,稱萬歲。因夜見權,權喜曰:「足以驚駭老子否?聊以觀卿膽耳。」即賜絹千匹,刀百口。權曰:「孟德有張遼,孤有興霸,足相敵也。」停住月餘,北軍便退。


(訳)

江表伝にいう。

曹公は濡須じゅしゅに出撃すると

歩兵・騎兵四十万にて長江に臨み

馬に(江水を)飲ませると号した。


孫権は七万の軍勢を率いてこれに応じ

甘寧に三千人を統領させて前部督ぜんぶとくとした。


孫権は甘寧に、夜中に魏軍へと

侵入するよう密勅を下した。


甘寧はそこで手下から

健児(壮健な若者)百余人を選り抜き

曹公の軍営下へと向かった。


鹿角ろっかく(逆茂木)を引き抜かせ、

とりでを乗りえて陣営へと突入し

(敵兵を)斬り、数十の首級を得た。


北軍(曹操軍)は驚駭きょうがいし、

鼓譟こそう(太鼓を鳴らす=混乱して大騒ぎ)

してしまい、星の如くに火の手が挙がった。


(その時)甘寧は已に帰還して

自軍の陣営に入っており、

鼓吹こすいをさせて、万歳を称した。


夜になって孫権に見えると、

孫権は喜んで言った。


「老子(曹操のじじい)を

驚駭させるには十分であったかな?

いささか、あなたの胆力を観せてもらった」


孫権は即座に

絹千匹・刀百口を下賜して、言った。


孟徳もうとく張遼ちょうりょうが有るならば

わたしには興覇こうは(甘寧)が有る。

互いに匹敵するに足る存在なのだ」


停留すること一月余りで、

北軍は速やかに撤退した。



(註釈)

孫権の有名なセリフです。


「曹操に張遼がいるなら

俺には甘寧がいる!」


江表伝由来なのは知りませんでした。



本文から受けた印象では、

孫権は甘寧をそこまで

大事に扱っていないような……。

生きてるのが不思議なくらい

ムチャな役ばかりやらせています。



張遼は合肥ごうひの戦で、

たったの800人で、

孫権の10万の軍勢をチンチンにする

獅子奮迅の大活躍を見せました。


「遼来遼来(張遼が来るぞ!!)」


と言えば、泣いてる子供も

泣き止んだとされる逸話が

「泣く子も黙る」の元ネタです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ