表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
淡々三国志  作者: ンバ
呉書第十、甘寧伝
268/603

註一・二、実は南陽人

註1.

吳書曰:寧本南陽人,其先客於巴郡。寧爲吏舉計掾,補蜀郡丞,頃之,棄官歸家。


(訳)

呉書にいう、

甘寧は本来南陽(なんよう)の人間だが

その先祖が巴郡はぐん客寓かくぐうしたのである。


甘寧は役人となって計掾けいえんに推挙され、

蜀郡の丞に補職されたが、

やがて官職を棄てて家に帰った。


(註釈)

甘寧の祖先が、旅行先の巴郡に

そのまま住み着いちゃって、

本来は南陽の人間だそうです。



甘寧は巴郡で20年余り

ヤクザ行為を働いていたそうですが

役人をしていたというのは

その、いつ頃の話なんでしょう。


甘寧が仮に南陽にいたままなら、

孫堅や袁術と接触してたかもしれません。

黄忠とも絡まないかなぁ。



甘寧はそもそも何歳なんでしょうか?

20年のヤンキー期間があるので

結構年いってそうな印象なのですが。



気になって

甘寧の記述を漁ってみましたが、

劉焉りゅうえん伝の引く「英雄記」に

その名前がありました。


194年、益州牧(刺史)の劉焉が死んだ。

子の劉璋りゅうしょうが代わって

益州を統治していくことになったが

長安から新しい刺史として

潁川の人・扈瑁こぼうが送られてきて、

ややこしい事態になる。


この時、扈瑁の味方をして

劉璋を打倒しようとした者の中に

甘寧が含まれてるんです。


敗れた甘寧たちは荊州に逃げた。


魯粛伝によると、

「周瑜と甘寧が、揃って孫権に

蜀攻略を勧めた」とあります。


法正伝の手紙でも

「甘寧を先導隊として孫権が来る」

的な事が書かれており、


理由はわかりませんが、甘寧は

間違いなく劉璋を嫌っています。



この記述を考慮すると


巴郡で20年余り暴れまわる

益州牧の劉璋に反逆(194年?)

敗れて荊州へ逃走(???)

南陽に移り、劉表に仕官(???)

(袁術が南陽を追われたのは193年)

孫権に降伏する(207〜208年)


という事になるので

甘寧は169〜173年から

暴れ始めた計算になり、彼の生まれは

150年代だったと推測されます。


甘寧は、孫権の傘下に入ったとき

既に50歳過ぎてた事に。



「20年余りのヤクザ期間」が

2年、10年の誤字だったとすると

もっと若くなります。


①甘寧は20年余りヤクザ

150年代生まれ

169〜173年から暴れてた


②甘寧は10年余りヤクザ

160年代生まれ

179〜183年から暴れてた


③甘寧は2年余りヤクザ

170年代生まれ

191〜192年から暴れてた



大体こんな風に推測できます。


甘寧のイメージに合わせて

理想の年齢を設定しましょう。


註2.

吳書曰:寧輕俠殺人,藏舍亡命,聞於郡中。其出入,步則陳車騎,水則連輕舟,侍從被文繡,所如光道路,住止常以繒錦維舟,去或割棄,以示奢也。


(訳)

呉書にいう、

甘寧は軽侠(命よりも義を重んじる)で

人を殺し、亡命者を屋舎に匿ったりして

巴郡じゅうで名前が聞こえていた。


その出入りは、

歩行できる場所では則ち馬車・騎馬を列ね、

水路では則ち軽舟(小型快速船)を連ねた。


侍従は文様の刺繍の服を着て

く所では道路が光り輝いていた。


留まる時には、いつも

繒錦(花模様の絹織物)で舟を繋ぎとめ、

去る時には、それを破り捨てて

豪奢ぶりを示すこともあった。




(註釈)


派手好き任侠、甘寧。


と言われてますが、

どうしてもチンピラのイメージが拭えない。


「輕俠」には

「(自分の)命を軽んじている」という

ニュアンスも含まれています。


鉄砲玉のような特攻を

平気で仕掛けてくるような

劇画タッチの似合う人なんでしょう。



こっちが本文だったら

まだ良かったのですが、

手下使って気に入らないヤツから

金品強奪するのとか、

甘寧のやってる事は完全に野盗のそれです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ