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淡々三国志  作者: ンバ
呉書第九、魯粛伝
259/603

八、魯粛伝に載っている周瑜の遺言

8.

後備詣京見權,求都督荊州,惟肅勸權借之,共拒曹公。曹公聞權以土地業備,方作書,落筆於地。周瑜病困,上疏曰:「當今天下,方有事役,是瑜乃心夙夜所憂,願至尊先慮未然,然後康樂。今既與曹操為敵,劉備近在公安,邊境密邇,百姓未附,宜得良將以鎮撫之。魯肅智略足任,乞以代瑜。瑜隕踣之日,所懷盡矣。」


(訳)

その後、

劉備はけいを詣でて孫権に見え

荊州の都督となる事を求め、

魯粛だけが孫権に

劉備に荊州を貸し、ともに

曹公を拒ぐことを勧めた。


曹公は、その時ちょうど

書を作っていたが、孫権が劉備に

土地を与えて業務とした事を聞いて

筆を地に落としてしまった。


周瑜は病に困苦するようになると

上疏して言った。


「今、天下では方々に戦役があり、

このことはわたし夙夜しゅくや(昼も夜もなく)

憂えている所でございまして、

願わくば至尊(天子=孫権)には

事の起こらぬうちに先を慮られ、

康楽は然るのちになさいませ。


今、曹操とは既に敵対し、

劉備は近く公安に在りまして

辺境は密邇みつじ(すぐ近く)であり

百姓はいまだ懐附しておりませぬ。

宜しく良将を得られまして

辺境の鎮撫に当たらせるべきです。


魯粛の智略は任を果たすに十分で、

彼を瑜の代役となさいますよう

お願いいたします。


(そのようになさったのならば)

瑜は隕踣(死)の日を迎えても

思い残す所は何もありません」


(註釈)

魯粛伝に周瑜の遺言が。

周瑜は曹仁戦で

大ダメージ受けてたっぽいのに

全然休んでる感じなかったよね。


208年冬の赤壁の後

209年内には

劉備が荊州南部を制圧。


正史では味気ない描写ですが

演義では張飛・趙雲無双や

関羽VS黄忠など

見どころ盛りだくさんです。

長く流浪を続けていた劉備陣営、

根拠地を得て一挙に飛躍しました。


荊州を一時的に劉備に貸与するのは

魯粛の提案でしたが、

周瑜は劉備のヤバさにいち早く気付き

少しずつ戦力を削り取るように

孫権に進言しています。


孫権は結局、魯粛の案を採用します。

劉備が今まで職務を放棄して

幾度となく逃げてきた事を知らずに。


赤壁の時は魯粛の献策が図に当たりましたが

劉備への予見は周瑜の方が正しかったですね。

劉備ほど常識が通用しない

群雄もいないからね。


劉備はわざわざ孫権のもとまで

戦勝の報告に出向いているので、

当時の劉備は孫権の配下扱い??


劉備は人にこき使われるの嫌うので

とっとと孫権のもとから

逃げたいと考えていたことでしょう。


210年、益州遠征を

計画していた周瑜が急死。

この時期に、劉璋配下の

法正ほうせい張松ちょうしょうとの接触もあり

劉備は益州に目を向けます。


また、孫権は210年ごろから

交州支配に乗り出してますが

周瑜の意見だったんですね。


演義では交阯の士燮がスルーされてるので

孫権が領地拡大してるように見えません。


交州の接収には歩騭ほしつが当たります。

歩騭は、孫権最愛の妻・歩夫人の縁者で

出世ルートに乗り始めた頃でした。

目立たないですが、歩騭も一級の人材です。


かくして

揚州・交州・荊州の一部を手に入れた孫権。


荊州を根拠地に益州を窺う梟雄・劉備。


依然として中原を抑える奸雄・曹操。


赤壁を皮切りに劉備と孫権が伸長し、

以降は三勢力の鎬の削り合いが主に。

グッと三国志っぽくなってまいります。


211年には劉備の入蜀、

曹操VS馬超、潼関どうかんの戦い。

許褚きょちょ賈詡かくがキーマン。

演義では夢梅むばい道士が出てきて

氷の城を作ろうとか言ってきますが、

彼は婁圭ろうけいの事です。


212年からは

曹操VS孫権、濡須口じゅしゅこうの戦い。

董襲とうしゅう、散る……!

十万本の矢の元ネタはここです。


213年は

馬超VS楊阜ようふ、冀城の戦い。

烈婦、王異おういが登場。

淡々晋書の表紙の人(勝手なイメージ)です。


214年には益州が陥落し


215年には

張遼ちょうりょうが泣く子も黙る大活躍、

陳武ちんぶの死を賭した奮闘、

合肥ごうひの戦いがあります。


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