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註十三、帰りたい、帰れない
裴松之の引用した蜀記の記述です。
樊城の戦いで、関羽の見た夢の話です。
註13.
蜀記曰:羽初出軍圍樊,夢豬齧其足,語子平曰:「吾今年衰矣,然不得還!」
(訳)
蜀記にいう。
関羽が最初に出陣して樊城を囲んだ時
猪に足を噛まれる夢を見て、
息子の関平に語った。
「私は年を取り衰えた。
だが、引き返すことはできぬ!!」
(註釈)
関羽は猪に足を齧られる夢を見ました。
十二支で最後尾のやつに
足を噛まれるくらい、
関羽の歩みは衰えている、
麒麟も老いては駑馬に劣る、的な暗示?
劉備と同年代なら、この頃の関羽は
もう60歳前後になっていますからね、
戦場に出るの、かなりキツイ筈です。
「然」は順接なのか逆接なのか。
「私は衰えてしまった
が、帰ることはできぬ!」
「私は衰えてしまった
から、帰ることはかなわぬ!」
前者で訳してありますが
後者の方が哀愁が漂ってて好きです。




