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淡々三国志  作者: ンバ
呉書第一、孫討逆(孫策)伝
221/603

註二十四、裴松之の見解

註24.

臣松之案:傅子亦云曹公征柳城,將襲許。記述若斯,何其踈哉!然孫盛所譏,未為悉是。黃祖始被策破,魂氣未反,且劉表君臣本無兼并之志,雖在上流,何辦規擬吳會?策之此舉,理應先圖陳登,但舉兵所在,不止登而已。于時彊宗驍帥,祖郎、嚴虎之徒,禽滅已盡,所餘山越,蓋何足慮?然則策之所規,未可謂之不暇也。若使策志獲從,大權在手,淮、泗之間,所在皆可都,何必畢志江外,其當遷帝於揚、越哉?案魏武紀,武帝以建安四年已出屯官渡,乃策未死之前,乆與袁紹交兵,則國志所云不為謬也。許貢客,無聞之小人,而能感識恩遇,臨義忘生,卒然奮發,有侔古烈矣。詩云:「君子有徽猷,小人與屬。」貢客其有焉。


(訳)

わたくし松之は考える。


傅子ふし」もまた、曹公が柳城を征伐し

孫策が許を襲撃しようとしたと云っている。


斯くの若く記述するとは、

何と事情に疎いことか!!!!


しかし、孫盛のそしるところも

全てが正しいという訳ではない。


黄祖は孫策に破られたばかりで

反撃するだけの気力は残されておらず、

さらに、劉表は君臣ともども

もとから領土を兼併する志を

持ち合わせていたわけでもなく、

長江の上流に在ったとはいえ

どうして呉会地方を支配するなどと

目論むことがあるだろうか。


孫策のこうした挙動は、

当然、先に陳登(の撃破)

を図ったものであろうが、

挙兵の目的は、陳登だけに止まらなかった。


この時、強力な宗族や

驍勇を誇る大師である

祖郎そろう厳白虎げんはくこといった輩は、

已に悉くとりことなるか滅びており、

その他、山越さんえつ(呉会の不服従民)

のことを鑑みても、

どうして恐るるに足りようか。


さすれば則ち、

孫策の(許都を襲撃する)はかりごとについて、

そんな余裕がなかったとは言い切れない。


もし孫策が志を得て大権を手中にすれば

淮水わいすいすいの間のどこにでも

都を定められるのであって、

どうして江南の地に志を遂げねばならず、

帝を揚・越に遷す必要があっただろうか?


魏書武帝(曹操)紀を勘案するに、

武帝は建安四年(199)には已に

官渡かんとに出征、駐屯していたのであって、

乃ち、孫策が死ぬよりも以前から

久しく袁紹と兵を交えていた。


則ち、三国志の云うところ

(孫策が官途の戦いに乗じて

許都を襲撃しようとした)

が間違っている訳ではないのである。


許貢の食客は(その名前が)

聞こえたこともない小人ではあったが、

能く知遇を感じ、恩を識る者達であり、

義に臨みて生命をも顧みずに

卒然と奮発した事は、

古代の烈士にも等しきものがある。


詩経は云っている、

「君子に徽猷きゆう(善道)有らば、

小人ともにく」と。

許貢の食客にはその風がある。


(註釈)

孫盛そんせい

「孫策に許を攻める余裕はなかった」


裴松之はいしょうし

「いやそうとは限らない」


と、真っ向対立です。


裴松之は基本、陳寿庇うんですよね。



うーーーーん…………


陳寿の本文が簡潔すぎる反面

裴松之の註釈文はボリュームありすぎて

孫策軍の実態が、いまいち掴めない。


ワシは、黄祖を息の根止める寸前まで

追い詰めてたってとこがウソだと思います。

根拠は、208年まで

黄祖がわりにピンピンしてるから。


劉表は専守防衛スタンスだったけど

黄祖が非常に強かったために

孫策と孫権の西方進出が遅れた。


山越(呉の不服従民)には

孫権の代になっても

さんざ悩まされるわけだし……


それに、孫策は江東にこだわるよ!

袁術の夢が散った場所だもの。


ここは孫盛の肩を持ちます。

ごめんね裴松之先生。




二人の意見で共通してる部分もあり、

それは、亡くなる直前の孫策が

陳登ちんとう広陵こうりょうを狙ってたという事。


それで、呂布伝のラストにある

陳登戦の記述に

繋がってくわけですね、なるほど。



また、孫盛・裴松之ともに

孫策の評価がかなり高いです。


後代の史書にも


「孫策のような武勇」とか

「孫策の災いを思い起こしください」

とかって言われて

引き合いに出される場面あるので

孫策の後代への影響力は

パパと弟より上かもしれません。


若さと勢いが他の追随を許してない。

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