淡々三国志

呉書第一、孫討逆（孫策）伝

註十六、曹操「近寄るな狂犬小僧」

註16.

吳歷曰：曹公聞策平定江南，意甚難之，常呼「猘兒難與爭鋒也」。

（訳）

呉歴にいう、

曹公は孫策が江南を平定した事を聞き

これは甚だ厄介な事になったと考え、

「狂犬の小僧とは鋒《ほこさき》を争い難い」

と、常に呼ばわっていた。

（註釈）

孫策　＝　猘兒《狂犬小僧》

「呉歴」は末期の呉に仕えた

胡沖という人の著作なのですが、

仮にも祖国の基礎を築いた人に対して

狂犬とかって書くかな？ふつう。

陳寿はあんなに、

祖国の偉人である

劉備や諸葛亮をアゲてるのに。

しかも、曹操まで弱腰に書かれてるし、

どっちもサゲてどうする！？

それとも、晋に降ったから、

魏呉両方のパイオニアを貶す魂胆なのかな。

劉備が曹操のもとにいたころ

曹操を油断させるために

野菜を植えてた話とかも「呉歴」ですが

裴松之先生は「誤謬《ごびゅう》」と一蹴。

ワシ的には江表伝も

ぜんぜん信じてないんですが、

呉歴もどっこいどっこいです。