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淡々三国志  作者: ンバ
呉書第一、孫討逆(孫策)伝
211/603

註十五、テンションアゲアゲ上奏文

註15.

吳錄載策表曰:「臣討黃祖,以十二月八日到祖所屯沙羨縣。劉表遣將助祖,並來趣臣。臣以十一日平旦部所領江夏太守行建威中郎將周瑜、領桂陽太守行征虜中郎將呂範、領零陵太守行蕩寇中郎將程普、行奉業校尉孫權、行先登校尉韓當、行武鋒校尉黃蓋等同時俱進。身跨馬櫟陳,手擊急鼓,以齊戰勢。吏士奮激,踊躍百倍,心精意果,各競用命。越渡重壍,迅疾若飛。火放上風,兵激煙下,弓弩並發,流矢雨集,日加辰時,祖乃潰爛。鋒刃所截,猋火所焚,前無生寇,惟祖迸走。獲其妻息男女七人,斬虎、韓晞已下二萬餘級,其赴水溺者二萬餘口,船六千餘艘,財物山積。雖表未禽,祖宿狡猾,為表腹心,出作爪牙,表之鴟張,以祖氣息,而祖家屬部曲埽地無餘,表孤特之虜,成鬼行尸。誠皆聖朝神武遠振,臣討有罪,得效微勤。」


(訳)

呉録に載録された

孫策の上奏文にいう、


わたくし黄祖こうそを討伐し、十二月八日に

屯所の沙羨さい県へと到りました。


劉表は将軍を派遣して黄祖を救助し、

揃って臣のもとへ赴いてきました。


臣は十一日黎明に、部下の

江夏こうか太守・建威中郎将の周瑜しゅうゆ

桂陽けいよう太守・征虜せいりょ中郎将の呂範りょはん

零陵れいりょう太守・蕩寇とうこう中郎将の程普ていふ

奉業ほうぎょう校尉の孫権、先登校尉の韓当かんとう

武鋒ぶほう校尉の黄蓋こうがいらとともに

時を同じくして進軍致しました。


臣自身は馬に跨りて敵陣へと討ち入り

手ずから急鼓を打ち鳴らしまして

戦の士気を整えさせたのでございます。


吏士は奮激し、勇躍すること百倍、

心胆は精妙にして意気果敢、

各々競って御用命に努めてまいりました。


幾重にも渡る塹壕を越え、

迅疾きこと、飛ぶが如く。

風上より火を放ち、

我が兵は煙の下を潜り抜け、

弓弩が一斉に掃射され

矢の降り注ぐこと、雨の如く。

辰の刻(7〜9時)まで重ねる頃には

黄祖の軍は潰爛かいらんしておりました。


鋒刃のる所、疾風の炎の焚く所、

その前に生ける賊無く、

ただ黄祖のみは逃がしてしまいました。


黄祖の妻子である男女七人を獲て

劉虎りゅうこ韓晞かんき以下二万余の首級を斬り

川を渡らんとして溺死した者が二万余口、

船六千余艘、財物は山の如くに積まれました。


劉表を未だとりことしておりませんが、

黄祖はかねてより狡猾で

劉表の腹心・爪牙として働き

劉表の鴟張しちょう(横暴)は

黄祖の気息によるものです。


しかし今や

黄祖の一門に属する者や

私兵は残らず一掃され、

劉表は孤特独立した虜となり、

鬼籍に入り、しかばねとなるのみです。


まことに全ては、聖なる王朝の

神武が遠方に振るわれた結果で、

臣も罪ある者を討伐し、些かながらも

忠勤を尽くす事が叶いました」




(註釈)

自慢話長いな。


「踊躍百倍」のとこ

ちょっとアンパンマンを思い出してしまった。



今にもくたばりそうな劉表と黄祖……


などと言いつつ、

結局黄祖の守る江夏こうかは陥落してないし

208年ごろまで

普通に勢力を保てているので、

違和感しか残りません。


徐夫人伝によれば、孫策側も

徐琨じょこん討ち取られてるみたいだし、

実際の10倍くらいオーバーに話してそう。


黄祖は、甘寧かんねい冷遇したせいで

評価低いんですけど、

孫堅時代から孫権時代まで

17年間も前線死守し続けてるあたり

ぜったい無能じゃない筈なんです。



孫策と孫権が「オヤジの仇だ!!」

と言って追い回してる宿敵が

余りにも弱かったら盛り上がらないし、

黄祖の再評価が待たれるところです。

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