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淡々三国志  作者: ンバ
呉書第一、孫討逆(孫策)伝
202/603

註八、一瀉千里の平定

註8.

吳錄曰:時有烏程鄒他、錢銅及前合浦太守嘉興王晟等,各聚衆萬餘或數千。引兵撲討,皆攻破之。策母吳氏曰:「晟與汝父有升堂見妻之分,今其諸子兄弟皆已梟夷,獨餘一老翁,何足復憚乎?」乃舍之,餘咸族誅。策自討虎,虎高壘堅守,使其弟輿請和。許之。輿請獨與策會面約。旣會,策引白刃斫席,輿體動,策笑曰:「聞卿能坐躍,勦捷不常,聊戲卿耳!」輿曰:「我見刃乃然。」策知其無能也,乃以手戟投之,立死。輿有勇力,虎衆以其死也,甚懼。進攻破之。虎奔餘杭,投許昭於虜中。程普請擊昭,策曰:「許昭有義於舊君,有誠於故友,此丈夫之志也。」乃舍之。

臣松之案:許昭有義於舊君,謂濟盛憲也,事見後注。有誠於故友,則受嚴白虎也。


(訳)

呉録にいう、

時に烏程うてい鄒他すうた錢銅せんどうおよび

前の合浦がっぽ太守だった嘉興かこう王晟おうせいらが

各々一万、或いは数千の軍勢を集めた。


孫策は兵を率いて討伐し

彼らを皆攻め破った。


孫策の母の呉氏が言った。


「王晟は、おまえの父とは表座敷にのぼって、

奥方と挨拶を交わすような

関係でありましたが、

今、その諸子兄弟らは皆すでに

晒し首となって滅んでしまい

ただ一人老翁(ろうおう)が残ることになりました。


どうしておそれるに足るでしょうか?」


こうして孫策は王晟を見逃して

他の者は悉く族滅した。


孫策は自ら厳虎げんこの討伐に向かい、

厳虎はとりでを高くして堅守し、

弟の厳輿げんよを使者として和睦を請うた。


孫策はこれに応じた。


厳輿は孫策と一対一で会して

和約を結びたいと申し出てきた。


会見の席で、孫策は

白刃を引いて席を斬りつけ、

(反応して)厳輿の体が動いたのを見て

孫策は笑って述べた。


あんたが座った状態から

ハネ起きる事が出来る速さたるや

尋常でないと聞いたもんで。


ちょっと卿のことを

からかってみただけっすよ」


厳輿は言った。


「我は、白刃を見るとこうなるのだ」


孫策は、そのようことは出来ないと悟って

そこで厳輿に手戟を投げつけると

立ちどころに死んだ。


厳輿は勇猛で力があり、

厳虎の一味はそんな彼が

死んだと聞いて、甚だ懼れた。


孫策は進攻して厳虎を破った。


厳虎は余杭よこうへと奔走し、

許昭きょしょうの虜の中に身を投じた。


程普ていふが許昭を撃つことを願い出ると

孫策は言った。


「許昭は旧主への忠義を持っている。

旧友へ対する、真心も持っている。

これは、大丈夫の志だよ。

(そういう奴を攻めるのは、忍びないぜ)」


こうして彼のことを見逃した。



(裴松之のコメント)

わたくし松之は考える、

「許昭は旧主への忠義を有している」

というのは、盛憲せいけんを救ったことをいう。


この事は、後の注釈に見える。


「旧友に対する真心を有している」

というのは、すなわち

厳白虎を受け入れたことをいう。


(註釈)

許昌(地名)

許昌(会稽の宗教指導者)

許韶(許昌の子)

許劭(人物評価の第一人者)

許章(汝南の人)

許昭(揚州の義士)←new!!


キョショウ、多っ!!


ここの記述は、

敵対者に苛烈な孫策だけど

温情を見せることもある

度量のある男なんだよ!


……という感じなのかな。


盛憲せいけんはこのあとに

ちょびっと出てきます。

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