註九、公明は公明正大
註9.
蜀記曰:羽與晃宿相愛,遙共語,但說平生,不及軍事。須臾,晃下馬宣令:「得關雲長頭,賞金千斤。」羽驚怖,謂晃曰:「大兄,是何言邪!」晃曰:「此國之事耳。」
(訳)
蜀記にいう。
関羽と徐晃はかねてより
お互い敬愛し合っており、
離れた場所から共に語り合って
ただ平生の事だけを話し
軍事の話には及ばなかった。
須臾にして徐晃は下馬し
軍に命令を下した。
「関雲長の首級を挙げた者には
賞金千斤を授けようぞ」
関羽は驚き恐れ、徐晃に述べた。
「大兄!何の話をしているのだ!!」
徐晃が言った。
「これはただ、国家の話である」
(註釈)
張遼が関羽との個人的な好誼より
お上の事を優先した記事と似ています。
徐晃は少なくとも公私混同するような
甘い相手じゃないんですね。
関羽にしてみたら、このまま
世話話を続けていたら、徐晃が
軍を引いてくれるかもしれないという
淡い期待があったかもしれません。
彼の性格がもし、
馬謖を逃した向朗のようなタイプだったら
関羽のことを見逃してくれるんでしょうか。
そういう人に曹操はそもそも
軍権を預けたりしないかな。
それと関羽が「大兄」と呼んでいるので
徐晃の方が年長であることがわかります。
同じ河東の出身で、気が合ったのでしょう。




