十、ご飯ちょうだい!!
10.
陽人去魯陽百餘里,堅夜馳見術,畫地計校,曰:「所以出身不顧,上為國家討賊,下慰將軍家門之私讎。堅與卓非有骨肉之怨也,而將軍受譖潤之言,還相嫌疑!」術踧踖,即調發軍糧。堅還屯。
(訳)
陽人から魯陽は百余里離れていたが
孫堅は馳せて袁術に見え、
地面に計策を図画して言った。
「堅が身を擲って顧みないのは
上は国家のために賊(董卓)を討ち、
下は将軍の家門の私的な報讐の為です。
堅と董卓の間に骨肉の恨みはありません。
にも関わらず、将軍は譖潤を受けて
却って堅を嫌疑なさるのですか!!」
袁術は踧踖し、即座に軍糧を調発した。
孫堅は駐屯地に引き返した。
(註釈)
譖潤=じわじわ影響のあるそしり
踧踖=慎ましい、素早い様
だそうな。
もうちょっと易しい言葉でたのむ……
私は、個人的に董卓が憎いわけでなく
大義は国家のため、
小義は袁家の復讐のために
賊を討伐しようとしている。
なのに讒言を受けて
私を疑うのですか!!!!
と、アツい気持ちを袁術に伝えて
蟠りを払拭(?)した孫堅でした。
なんで邪魔すんの!!
あんたのために戦ってるんでしょうが!!
って、そりゃ怒りたくもなるわね。
本文だけ見ると、孫堅はやっぱり
二心のなさそうな漢の忠臣ですね。