註十四、獅子身中の虫
註14.
江表傳曰:或謂術曰:「堅若得洛,不可復制,此為除狼而得虎也」,故術疑之。
(訳)
江表伝にいう、
或る者が袁術に謂った。
「孫堅が若し洛陽を得たなら、
二度と制御できますまい。
これでは狼(董卓)を除いて
虎(孫堅)を得るようなものです」
故に袁術は孫堅を懐疑した。
(註釈)
演義の該当部分を読んでみました。
(文)
「孫堅引兵回至梁東屯住,使人於袁紹處報捷,就於袁術處催糧。或說術曰:『孫堅乃江東猛虎;若打破洛陽,殺了董卓,正是除狼而得虎也。今不與糧,彼軍必散。』術聽之,不發糧草
(訳)
孫堅は兵を引いて
梁県の東へ至りそこへ駐留した。
人を遣わして袁紹の拠点に捷報させ
袁術の拠点に軍糧を催促させた。
或る者が袁術に説いて言った。
「孫堅は乃ち、江東の猛虎です。
若し彼が洛陽を打ち破り
董卓を殺し終えたならば
まさにこの事態は、狼を除いて
虎を得るようなものです。
今兵糧を送らなければ、
彼の軍は必ずや散りましょう」
袁術はこれを聞いて
糧秣を送らなかった。
演義だと「江東の猛虎」と
かっこいい渾名がついてます。
袁術のみみっちいところを
強調するようなエピソードですが
孫堅の本心やいかに?