表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
淡々三国志  作者: ンバ
呉書第一、孫破虜(孫堅)伝
163/603

七、南陽太守を殺す

7.

靈帝崩,卓擅朝政,橫恣京城。諸州郡並興義兵,欲以討卓。堅亦舉兵。荊州刺史王叡素遇堅無禮,堅過殺之。比至南陽,衆數萬人。南陽太守張咨聞軍至,晏然自若。堅以牛酒禮咨,咨明日亦荅詣堅。酒酣,長沙主簿入白堅:「前移南陽,而道路不治,軍資不具,請收主簿推問意故。」咨大懼欲去,兵陳四周不得出。有頃,主簿復入白堅:「南陽太守稽停義兵,使賊不時討,請收出案軍法從事。」便牽咨於軍門斬之。郡中震慄,無求不獲。


(訳)

霊帝が崩御すると、董卓は朝政を壟断ろうだん

洛陽で欲しいままに横暴を働いた。

諸州郡では揃って

董卓を討たんとする義兵が興った。


孫堅もまた挙兵した。


荊州刺史の王叡おうえいは兼ねてより

孫堅を遇するのに礼無く、

孫堅は(荊州を)通過したとき

彼を殺害した。


南陽に至る頃には

孫堅に従う者は数万人に及んでいた。


南陽太守の張咨ちょうし

孫堅の軍がやって来たと聞いても

泰然自若としていた。


孫堅は牛肉と酒を張咨に捧げ、

張咨もまた明くる日に返礼のため

孫堅のもとを訪れた。


酒宴もたけなわになった頃、

長沙の主簿が入室してきて

孫堅に上申した。


「以前、南陽に移文を遣りましたが、

道路が整備されておらず

軍資が備わっておりませんでした。


郡の主簿を捕えて、その理由を

推問したく存じます」


張咨は大いに懼れ、退出しようとしたが

兵が四方に配備されており

出ることができなかった。


ややあって、主簿が再び

入室してきて、孫堅に上申した。


「南陽太守は義兵(の進軍)を停留させ、

賊に不意を衝かせようとしています。

彼を捕えて引っ張り出し

軍法に従って案致したく存じます」


孫堅はそれを聞いて

すぐに張咨を引き摺っていき

軍門で彼を斬った。


郡中は震え慄き、

孫堅の要求が通らない事はなくなった。


(註釈)

孫堅の掛け替えのない長所の一つは、

決断がメチャクチャ早いってことですね。


守成の孫権とはそこが決定的に違います。

(孫権を貶してるんじゃなくて)


空手から我が身ひとつで創業したっていう

ある種の身軽さが、思い切りの良さに

繋がってるのかもしれません。



反董卓に諸侯が起ち上がりますが


孫堅はあくまで地方軍閥なので

エリート官僚ばかりで固められた

連合軍からは声がかからなかったようで、

自発的に参加したようです。


この時期の荊州刺史は王叡おうえいであり、

(劉表が荊州刺史になったのは192年)

彼は部下の孫堅を日頃から侮っていたようで

孫堅は荊州を通った際に王叡を殺しています。


原文は

「荊州刺史王叡素遇堅無禮,堅過殺之」


①孫堅は(荊州を)過ぎた時王叡を殺した。

②孫堅は過ちで王叡を殺した。

③孫堅は王叡が過ちを犯したため殺した。


①で訳しましたが、②・③もありそう。



更に南陽太守の張咨ちょうし

軍紀を乱したために孫堅に処刑されており、


袁術伝によると、この時ちょうど

袁術が南陽にやってきたため

袁術は南陽を支配下に置けた……

とありますが、どうも

タイミングが良すぎるような気がします。


この時の袁術は虎賁中郎将、

かつ董卓から任命された

実なき後将軍位にあり、

名族ながら根拠地がありませんでした。


一方、孫堅は太守の座にあって

独自の軍勢も持っていたものの

中原の諸侯とのコネクションが無く、

二人の利害が一致したために

手を組むことを選んだのでしょう。



孫堅と袁術で共謀して

王叡と張咨を葬ったまで

考えてもいいかもしれません。


後漢書によると、袁術を上奏して

南陽太守にしたのが劉表です。


この時点では袁術と劉表、仲良かったの??


王叡が消えて、荊州刺史の

後釜に据えられたのも劉表で

劉表も一枚噛んでるかも。


また、南陽には

若き日の黄忠や魏延が居るはずなんですが

この頃何をしてたんでしょう。

(魏延はまださすがに少年かな)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ