表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
淡々三国志  作者: ンバ
呉書第一、孫破虜(孫堅)伝
159/603

註六、朱儁

註6.

續漢書曰:儁字公偉,會稽人,少好學,為郡功曹,察孝廉,舉進士。漢朝以討黃巾功拜車騎將軍,累遷河南尹。董卓見儁,外甚親納,而心忌之,儁亦陰備焉。關東兵起,卓議移都,儁輒止卓。卓雖憚儁,然貪其名重,乃表拜太僕以自副。儁被召不肯受拜,因進曰:「國不宜遷,必孤天下望,成山東之結,臣不見其可也。」有司詰曰:「召君受拜而君拒之,不問徙事而君陳之,何也?」儁曰:「副相國,非臣所堪也。遷都非計,臣之所急也。辭所不堪,進臣所急,臣之所宜也。」有司曰:「遷都之事,初無此計也,就有,未露,何所受聞?」儁曰:「相國董卓為臣說之,臣聞之於相國。」有司不能屈,朝廷稱服焉。後為太尉。李傕、郭汜相攻,劫質天子公卿,儁性剛,即發病而卒。



(訳)

続漢書にいう、

朱儁しゅしゅんは字を公偉こういといい、会稽かいけいの人である。

若い頃から学問を好み、郡の功曹となり

孝廉に推挙され、進士に挙げられた。


漢王朝は黄巾を討伐した功績を以て

朱儁を車騎しゃき将軍に拝し、

(功績を)かさねて河南尹かなんいんに遷った。


董卓は朱儁に見えて、

外向きは甚だ親しく受け入れたが

内心は彼を疎ましく思っており、

朱儁の方も、密かに董卓を警戒していた。


関東で兵が起こると、

董卓は都を遷すことを議したが

朱儁はその都度董卓を諫止した。


董卓は朱儁を忌み嫌っていたものの、

しかしてその名望が重いことを利用し

そうして上表して彼を太僕たいぼくとし、

自らの副官とした。


朱儁は召辟しょうへきを被るも拝受を肯じず、

進み出て述べた。


「都をうつすのは宜しくございません。

必ずや天下の人々の願いに叛き、

山東の(袁紹らの)結束を成すだけで

わたしにはその利点がわかりませぬ」


有司(官吏)は詰問して述べた。


「(董相国は)あなたを召して

(太僕の位)を拝受させようと

なさっているのに、あなたはそれを拒んだ。


遷都について尋ねていないのに

あなたがその事を述べられたのは

どうしてですか?」


朱儁は言った。


「相国の副官の任など

臣の堪える所ではございません。


遷都の無謀さについては

臣が心患うところでございます。


堪えられぬことを辞去し、

気掛かりな点を進言する事が

臣の為すべきところであります」


有司は述べた。


「遷都の事は、初めから

ありもしない計画なのです。

あったとしても、発表されぬうちに

どこから伝え聞いたのですか?」


朱儁は言った。


「相国の董卓が臣に話したのです、

臣下は、相国からこの話を聞きました」


有司は朱儁を屈せられず

(任官を受けさせることができず)

朝廷は彼を称え、心服した。


その後、太尉たいいとなった。


李傕りかく郭汜かくしがお互いに攻め合った時、

天子や公卿らを脅して人質に取ったが

朱儁は剛直な性格だったために

直ちに病を発し、卒してしまった。




(註釈)

さすがは後漢の名臣、

節を曲げない、剛直な性格のようです。


朱儁は会稽出身……ということは

許昌が会稽で反乱起こした時から

孫堅と面識があったのかもしれません。



筑摩訳の註によると、

「進士」というのは科挙の科目名で

後漢の当時はまだ存在しなかったそうです。


「貢士」の書き間違いとか??



呂布と王允を駆逐したあとの

李傕りかく郭汜かくしの統治は酷いもので、

部下に好き勝手やらせて

自分たちは贅沢三昧だったために

食糧の値段が高騰して

人々は互いに喰らい合い、

関中は白骨や腐乱死体で

溢れかえっていたそうです。


更に李傕と郭汜は仲違いし出して

争うようになったために

長安の無秩序ぶりは加速していきます。


史家が彼らをこき下ろすために

暴虐ぶりを強調した創作だと思いたい。

こんな非道が実際罷り通るのは

理不尽すぎる、むごすぎる。



朱儁は、李傕と郭汜を仲裁しようとしますが

郭汜に捕まり、人質に取られて

その屈辱から病を発して

亡くなってしまいました。


皇甫嵩こうほすうも同じ時期に病没しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ