表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
淡々三国志  作者: ンバ
蜀書第六、関羽伝
15/603

六、蛮勇手術

6.

羽嘗為流矢所中,貫其左臂,後創雖愈,每至陰雨,骨常疼痛,醫曰:「矢鏃有毒,毒入於骨,當破臂作創,刮骨去毒,然後此患乃除耳。」羽便伸臂令醫劈之。時羽適請諸將飲食相對,臂血流離,盈於盤器,而羽割炙引酒,言笑自若。



(訳)

関羽はかつて流れ矢に当たり

左肘を貫かれた。


後になってきずは癒えたと雖も

曇りや雨の日になるたび

いつも骨が疼き痛んだ。


医者が言うには

やじりに毒がございまして

骨まで毒が入り込んでいます。

ひじを裂いて傷口を切開し

骨を削って毒を取り去れば

然るのちに痛みは除かれましょう」


関羽はただちに臂を伸ばして

医者に切らせた。


この時関羽はちょうど

諸将を招いて宴会を開いており

肘から流れ落ちた血が

大皿を満たす程であったが

関羽は焼肉を割いて酒を引き寄せ

自若として談笑していた。


(註釈)

雨の日になるとよう……

左肘の〝瑕疵きず〟が慟哭うずきやがるんだよう……


こう書くと関羽が中二病っぽい。



「かつて」関羽は左肘を負傷し……


「かつて」って言い方が抽象的すぎて

いつだかわからないです。


なので、

お話によって関羽の肘を傷付けたの

曹仁そうじんだったり龐徳ほうとくだったり。

顔良がんりょう楽進がくしんだったという話は聞きませんが

大体関羽の最後の戦いあたりに

設定されてる事が多いです。


とにかく、関羽はある時

左ヒジに毒矢を浴びてしまい

傷口が塞がったあとも、

矢じりの毒が骨に回っていて

疼くような痛みが残り続けていました。


医者に診せたら

「傷口開いて骨削りましょ」と

蛮勇度の高いことを言われてますが

関羽は即決してそのままオペ開始。


ちょうど諸将と飲み食いをしている最中

肘の手術を執り行い、

めちゃくちゃ血が出てるのに

関羽は意に介さずケロッとしていた……


同席した諸将の立場からしたら

メシ食ってる時に正直

大量の出血を見せないで欲しいですけどね。


敢えてみんなに我慢強いとこ

見せつけようとするのも、なんだか

関羽っぽいのかなと思えなくもないです。


三国志演義では、この時

肘の手術をしたのが名医華佗(かだ)

関羽は馬良ばりょうと囲碁を打ちながら

施術した事になっています。


「ムチャクチャ痛いので麻酔しますよ」

と言う華佗に対して

「麻酔なしでやってくれ」と言う関羽。


華佗はしぶしぶ従いますが

施術中の関羽は顔色ひとつ変えずに

囲碁をパチパチ、どころか

酒を飲んで談笑している。

絶対人間じゃない。


華佗が

「関公のような患者を

見た事がありません」と言えば


関羽が

「天下の名医と名患者が揃えば

病気も裸足で逃げ出しますな」

と返して、二人は大いに笑った。


樊城の戦いの前に挿話するって事は

関羽が本調子だったら落とせてた、

というニュアンス含んでそう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ