註六、袁紹と元サヤ(魏書ver)
註6.
魏書曰:術歸帝號於紹曰:「漢之失天下乆矣,天子提挈,政在家門,豪雄角逐,分裂疆宇,此與周之末年七國分勢無異,卒彊者兼之耳。加袁氏受命當王,符瑞炳然。今君擁有四州,民戶百萬,以彊則無與比大,論德則無與比高。曹操欲扶衰拯弱,安能續絕命救已滅乎?」紹陰然之。
(訳)
魏書にいう、
袁術は帝号を袁紹に帰して述べた。
「漢王室は天下を失って久しく、
天子は人から手を借りて
政治の実権は家門に在り、
豪傑たちは互いに争い
領地を奪い合っています。
この事態は周末期に七国が
勢力を分けたことと変わりなく
結局は強者が併合するのみです。
加えて袁氏が天命を受け王者となる事は、
符瑞(吉兆)に炳然と顕れています。
今、君は四つの州を有し、
人戸は百万を擁しており、
その強大さは比類なく
徳の高さを論じても、並ぶ者はおりません。
曹操は衰微した漢王室を
扶助しようとしておりますが、
どうして命運の絶えたものを存続させ
已に滅亡したものを救う事が出来ましょう」
袁紹は密かに袁術の計画に賛同した。
(註釈)
袁術から帝位を譲られると聞いて
袁紹も満更では無さそうなので
やはり彼も二心を抱いてたんすかね。