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淡々三国志  作者: ンバ
魏書第七、呂布伝
128/603

十六、陳登

三国志16.

陳登者,字元龍,在廣陵有威名。又掎角呂布有功,加伏波將軍,年三十九卒。後許汜與劉備並在荊州牧劉表坐,表與備共論天下人,汜曰:「陳元龍湖海之士,豪氣不除。」備謂表曰:「許君論是非?」表曰:「欲言非,此君為善士,不宜虛言;欲言是,元龍名重天下。」備問汜:「君言豪,寧有事邪?」汜曰:「昔遭亂過下邳,見元龍。元龍無客主之意,乆不相與語,自上大牀卧,使客卧下牀。」備曰:「君有國士之名,今天下大亂,帝主失所,望君憂國忘家,有救世之意,而君求田問舍,言無可采,是元龍所諱也,何緣當與君語?如小人,欲卧百尺樓上,卧君於地,何但上下牀之閒邪?」表大笑。備因言曰:「若元龍文武膽志,當求之於古耳,造次難得比也。」





(訳)

陳登ちんとうという者は字を元龍げんりゅうといい、

広陵にて威名があった。


また、呂布に対して

掎角きかく(挟み撃ち)の功績があり

伏波将軍を加えられたが、三十九歳で卒した。


後に、許汜きょしと劉備がともに並んで

荊州牧けいしゅうぼく劉表りゅうひょうの座にあったとき、

劉表は劉備とともに

天下の人物を論評した。


許汜は述べた。


湖海こかいの士、陳元龍は

豪気が抜け切れませんでしたな」


劉備は劉表に言った。


「許君の意見は正しいですか?

それとも、間違っていますか?」


劉表は言った。


「間違っている……と言いたくとも、

この許君は善良な方であるから

嘘をつく筈はなかろうし。


正しい……と言いたくとも、

元龍の名は天下に鳴り響いておるしな」


劉備は許汜に問うた。


「君は(陳登を)《《豪》》と言われましたが

一体何があったのですか?」


許汜は言った。


「昔、動乱に遭遇して下邳を通った時

私は元龍にまみえました。


元龍は、家の主として

賓客を持て成す気持ちを持たず

なかなか私とともに話そうとせず、

自分は大きな寝台で眠ったくせに

客の私を、寝台の下に寝かせたのですよ?」


劉備が言った。


「君には、

国士としての名声がおありでしょうに。


いま、天下は大いに乱れており

帝は拠り所を失っておられ、

君に対して、家の事を忘れて国家を憂い

世を救う意思を持つ事を望まれたのです。


ところが、君は田地を求めて屋舎を探し、

採るべき発言も無かった。

これこそ、元龍が忌み嫌うところです。

一体君と、何を語ることがありましょう。


(君子の元龍でこれなら)

小人の私であれば、

自身は百尺の寝台の上で眠り

君を地べたに寝かせたいと思いますな。


寝台の上下の差どころではありませんぞ?」


劉表は大笑いした。


劉備はそこで述べた。


「元龍の如き文武の才能と勇気を持つ者は

古代に求められるのみで、

咄嗟に比較する人物を挙げるのは

難しいかと存じます」




(註釈)

王楷は所在不明ですが、

許汜は呂布が滅んだあとは

劉表のとこに行ってたんですね。



劉備

「お前陳登をけなしてるけど

何かあったの?」



許汜

「動乱があって

陳登のとこに泊まったとき

あいつは話してもくれないし

あまつさえ、自分はベッドで寝て

私をその下に寝かせたんだぞ」



劉備

「それはお前が、自分のことしか

考えてない小物だからだよ。


俺に言わせりゃ陳登はまだ優しいわな、

俺なら20mくらいのベッドで寝て

お前を地べたに寝かせたいと思うもん。


ベッドの上と下どころじゃねぇよ」



これには劉表もニンマリ。




劉備の陳登の評価が

めっちゃ高くてビビります。


劉備の人物眼は超A級なので

この評価もそう現実と

乖離してないものと思いたい。



陳登は享年39とありますが、

確か食べたサカナに寄生虫がいて

食中毒になってしまい、

名医華佗に診てもらって

一命をとりとめたものの、

のちに再発して亡くなったそうです。


膾(サシミ的な)を食べてたとあるので

火を通してない川魚とか口にしてたのかも。


アニサキスとかかな?

これほどの傑物が、食中毒で

死んじゃったというのが、妙にリアルで怖い。


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