註十五、呂布「明公助けてー!」
註15.
獻帝春秋曰:太祖軍至彭城。陳宮謂布:「宜逆擊之,以逸擊勞,無不克也。」布曰:「不如待其來攻,蹙著泗水中。」及太祖軍攻之急,布於白門樓上謂軍士曰:「卿曹無相困,我當自首明公。」陳宮曰:「逆賊曹操,何等明公!今日降之,若卵投石,豈可得全也!」
(訳)
献帝春秋にいう、
太祖の軍が彭城に至ると
陳宮は呂布に謂った。
「敵軍を逆撃するのが宜しいかと。
逸を以て労を撃つ
(兵法三十六計の四)のですから
勝利を得られぬ訳がありません」
呂布は言った。
「敵軍が来攻するのを待って
泗水の中に圧迫するに越した事はない」
太祖の軍の攻撃が激しくなるに及んで
呂布は白門の楼上から
曹操の軍兵らに謂った。
「卿曹〜、そんな苦しめんでくれ〜。
私は明公に自首するつもりなのだよ〜」
陳宮が言った。
「逆賊曹操がどうして明公なんですか!?
今日、曹軍に降るのは、
石に卵を投げるようなものですよ、
どうして命を全うできましょうか!?」
(註釈)
呂布やる気ねぇえええええwwww
呂布は曹操に降伏したいのに
陳宮がだめぇえええ!!って
言ってるわけですから
こうなっちゃうかな……w
フッ、わざわざ打って出るまでもねぇ。
泗水を奴らの墓場にしてやるぜ……
↓
↓(数時間後)
↓
やめて〜攻撃しないで〜
曹操さまに逆らう気なんて
はじめからなかったんですよ〜ん
この変わり身の早さ、
もうほとんどコントですね。
呂布って人間的にはほめられたものじゃ
ありませんが、こういう可愛さがあるので
なんか憎みきれないとこがあります。
この記述は、宋代まで通史である
資治通鑑にも採用されてました。
ドンマイ……ドンマイ……
後漢書ではカットされてますが、
下邳で戦う前に、曹操と呂布は
彭城で干戈を交えています。
彭城は、かつて劉邦が56万を擁しながら
項羽の3万にズタボロにされた場所です。
「曹」は、やから、とか
〜たち、って意味にもなるんすね。
知らなかった!
次回、呂布の最期です。