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淡々三国志  作者: ンバ
魏書第七、呂布伝
109/603

註十一後、陳宮の裏切り?

註11-2.

建安元年六月夜半時,布將河內郝萌反,將兵入布所治下邳府,詣廳事閤外,同聲大呼攻閤,閤堅不得入。布不知反者為誰,直牽婦,科頭袒衣,相將從溷上排壁出,詣都督高順營,直排順門入。順問:「將軍有所隱不?」布言「河內兒聲」。順言「此郝萌也」。順即嚴兵入府,弓弩並射萌衆;萌衆亂走,天明還故營。萌將曹性反萌,與對戰,萌刺傷性,性斫萌一臂。順斫萌首,牀輿性,送詣布。布問性,言「萌受袁術謀,謀者悉誰?」性言「陳宮同謀。」時宮在坐上,靣赤,傍人悉覺之。布以宮大將,不問也。性言「萌常以此問,性言呂將軍大將有神,不可擊也,不意萌狂惑不止。」布謂性曰:「卿健兒也!」善養視之。創愈,使安撫萌故營,領其衆。





(訳)

建安元年(196)六月のある夜半に

呂布の将で、河内の郝萌かくほうが反逆し、

将兵とともに呂布の治所である

下邳の役所に侵入して庁の閤外を詣で、

声を同じくして大声で呼ばわり閤を攻めたが

閤の守りは堅く、侵入する事が出来なかった。


呂布は反逆者が誰なのか分からず、

ただちに夫人を牽引し、着の身着のまま

便所の上から壁を伝って脱出すると

都督の高順の陣営を詣で、

直ぐにその門を押し開けて中へ入った。


高順が問うた。


「将軍、(謀叛を働いた者に)

不審な点はございませんでしたか?」


呂布は述べた。


「河内の若僧の訛りがあった」


高順が述べた。


「それは郝萌ですよ」


高順は即座に兵を整えて役所に立ち入り、

弓弩を郝萌の部隊に並射した。

郝萌の軍は潰走し、夜明け頃に

元いた陣営に引き返して行った。


郝萌の将の曹性そうせいは郝萌に反抗して

ともに交戦し、郝萌は曹性を刺して傷を負わせ、

曹性は郝萌の片腕を切り落とした。


高順は郝萌の首を切って

曹性を寝台に担いで送り、

呂布を詣でさせた。


呂布が曹性を尋問し、彼は言った。


「郝萌は袁術から謀を受けたのです」


(※呂布のセリフ)

「謀った者を全て言え。誰だ!」


曹性は言った。


「陳宮です。陳宮が共謀していました」


この時陳宮は座上にあったが

顔を赤くしており、傍らの人々には皆

彼が共犯者である事が伝わった。


呂布は陳宮が大将である事から

この件を不問にした。


曹性は言った。


「郝萌がいつも今回の計画について問うので

私は『呂将軍は大将としての神威があり、

撃つことはできない』と申しましたが、

郝萌の狂惑ぶりがこれ程までに

酷いとは思いませんでした」


呂布は曹性に


「お前は壮士だ!!」


と述べ、よく彼を看護してやった。


傷が癒えると、

元の郝萌の陣営を鎮撫させ

その手勢を領有させた。


(註釈)

袁術がしたたかですね。

呂布に劉備の背後を襲うように仕向けて、

その後で呂布も殺そうとしてた事になります。


「呂布さんには三つの大功があります!」

「お米二十万斛送りますよ!」

「不備があれば何でも仰ってください!」


とか言ってたのに!

袁紹も呂布を司隷校尉に推薦するフリして

殺そうとしてましたが、さすが血族、

やり口が似てる気がします。



「科頭袒衣」は

「着の身着のまま」と訳しましたが、

科頭は、頭に冠帽を戴かず

袒衣は、服から肌が露出してる状態です。


微妙にニュアンス外れてるかも……

殆ど服着る暇もないくらい

急いで逃げた……って感じです。




このとき、袁術の策に乗ったのが

郝萌と陳宮です。


陳宮=呂布の軍師

というイメージがあっただけに

彼が呂布を裏切るというのは

ちょっとショックな記述でした。


でも、呂布は成り行き上

軍団のトップになっちゃっただけで

本来は経営なんて向いてないので、

陳宮たちが、徐州を袁術に

治めて欲しくなる気持ちも

理解できなくはないです。



それと、「兒」って書かれてるので

郝萌と曹性は若いっぽいですね。


丁原の頃から呂布の傘下にいるなら

若造扱いが不自然な気がするので、

河内太守の張楊あたりが

呂布に与えた若手将校とかだった??


呂布と仲良しの張楊が

「隙あらば呂布を始末しろ」

とかって命じてたんだとしたら

怖いですねぇ。

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