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神のち悪魔、ときどき魔法使い  作者: 掛世楽世楽
3/6

政子

 話を明日葉家へ戻そう。


 晴太と政子の唐突な申し出に、最初は困惑していた母の育代も、政子の話術と明るい性格に、すっかり魅了されてしまった。それは他の面々も同様である。リビングには途切れることなく、明るい笑い声が響いた。


「小二でオネショした時はねえ、私の育て方が悪かったのかと、それはもうガッカリしちゃって。目の前が暗くなったものよ」


 育代が息子の幼少期のことを話し始めてから、祐介はずっと肩を震わせて笑いをこらえている。秘密を暴露される晴太はたまったものではない。


「まあ、小学二年で・・・それは大変ですね。お察しします」


 政子は大きな眼を更に見開き、同情してみせた。


「そうなのよ。他にもいろいろと・・・」


 晴太は真っ赤になって、育代の話を遮った。


「やめてくれよ」


 こんな話を聞かせるために、政子を呼んだわけではない。



「母さん、余計な事は言わないでよ。北条、人類学の参考にする話を聞きたいんだろ。別の話題にしてくれ」


「これでいいのよ。お母様には、好きなことを、好きなように話して頂きたいの」


 涼しい顔で、そう言うのだった。

 妹の春香は、育代以上に政子のことが好きになったようだ。全面的に彼女の味方である。


「お兄ちゃん、まさこちゃんの邪魔をしないで」


 そう言うと晴太を睨み、ぷっと膨れた。


「・・・はい」



 育代が話している間中、政子は絶妙な合いの手を繰り出し、晴太は苦虫を噛み潰し、祐介と春香は笑い転げた。幼い時分の恥が洗いざらい披露されてしまった晴太は、開き直って皆と一緒に笑うしかなかった。


 西日がリビングを染める頃合いに、ようやく座談会はお開きとなり、


「今日はありがとうございました」


 丁寧にお辞儀する政子に、


「近いうちに、またいらっしゃいな。北条さん」


 育代は名残惜しそうに告げた。

 春香は政子の手を握り、眼を輝かせていった。


「まさこちゃん、また来てね」


「ええ、必ず来るわ」


 政子は玄関で見送る二人を何度も振り返り、歩きながら手を振っていた。


「じゃあな、また明日」


 先に祐介と別れ、しばらく二人きりで公園沿いを歩き、角を曲がれば北条邸という場所で、政子は晴太にもきちんと頭を下げた。


「ここでいいわ。今日はありがとう」


「あ、いや・・・」


 頭をかきかき、しどろもどろの晴太を見つめる政子の瞳は、どこまでもまっすぐに澄み切っていた。


 今の彼女は人当たりが良く、礼儀正しく、あらゆる点で好ましい。しわひとつない制服に身を包み、柔らかな笑顔を浮かべ、とても魅力的だった。

 ずいぶん昔に、こんな感じの政子を見た記憶がある。


 思い起こせば、晴太が政子と親しく会話をしたのは小学三年生の時以来、八年振りのことだ。八年は人が変わるのに十分な年月だろう。

 言い換えれば、彼女には晴太の知らない一面があってもおかしくない。というより、知らない面ばかりでも不思議はない。仲が良かったのは、遠い昔のことに過ぎないのだから。


 それでも、晴太は眼の前の女の子に感じる違和感を払拭できないでいた。今の政子は明る過ぎる。模範的過ぎる。健全に過ぎる。影というものが全く感じられない。彼女の生い立ちを考えるなら、それは不自然に思われた。


「どうしたの?」


 声の近さに、ハッとした。

 彼女の顔を見つめたまま、ぼーっとしていたらしい。

 つやつやとした紅い唇が目の前にある。


「あ・・・いや、その・・・」


 晴太は無意識のうちに後退(あとずさ)った。

 たぶん、言うなら今しかない。でも、言っていいのだろうか。言えばまた、彼女は遠くへ行ってしまうのではないか。


 どうしよう。


 迷ったあげく、好奇心が勝ってしまった。


「・・・ひとつ、()いてもいいかな」


「どうぞ」


 晴太は深く息を吸った。腹に力を込めて、彼女を正面からじっと見つめた。

 見た目だけなら、紛れもなく政子だ。クリクリと良く動く猫のような瞳、長い手足も、細い体躯も、昔から変わらない。


 でも、どこか違う。たぶん本質的なところで。


「北条さん、変わったね」


「そう?」


「どうしてかな、別の人みたいだ」


 なぜそう思ってしまうんだろう。そこが自分でもはっきりしない。


「気のせいでしょ」


「でも、なんだか、そのう、変だよ」


 政子は微笑んでいた。変だと言われても怒るどころか、気分を害した様子もなかった。

 彼女ではなく、僕がおかしくなったのか? ああもう、わけがわからない。


「キミは、だれ?」


 言っちゃった。僕のバカ。ええい、もう知らん。


「・・・・・」


 つうっと口角を吊り上げ、政子は白い歯を見せた。


「明日葉くんがどう思おうと、私は北条政子よ」


 瞳の奥に青白い光が灯り、すぐに消えた。


「またね」政子は踵を返した。ポニーテールが道角を曲がって消えてから、晴太は深く息をついた。

「はぁ・・・・・」

 自分が思うより緊張していたらしい。気がつくと足が震えていた。掌には、じっとりと汗をかいている。

 薄墨を流したような夕闇の中で、得体の知れない不安が晴太を襲った。




 翌日。

 朝のニュース番組は、世界各地の原子力発電所が突然停止したと一斉に報じた。日本も例外ではない。それが電力の供給に影響しなくても、一大事であることに変わりはなかった。

 NHKの男性キャスターは、停止原因が不明である点を強調し、有識者として出演する大学教授に、意見を求めた。


「森下さん、この事象をどのようにお考えですか?」


 キャスターに発言を促された男性は、小柄で小太り、温和な笑みを(たた)えた中年であった。物腰が柔らかく、庶民的な雰囲気で、お茶の間の人気を集めている。


「まず私は原子力が専門です。その立場から、大変に奇妙な事件だと言わねばなりません」


 森下は二度三度深く首肯し、そのまま沈黙した。一向に続きを話そうとしない。さり気なくカメラ位置を確認する様など、大学教授というよりテレビ慣れしたタレントのようだ。


 キャスターは止むを得ず質問を重ねた。


「おっしゃるとおり、確かに奇妙な事件ですね。具体的には、どういった点が気になりますか?」


「今回の事件について、率直に言わせていただけるなら、これは原子力の問題ではありません」


 キャスターは、少々鼻白んだ。

 こんなコメントでは、専門家として来てもらった意味がない。

 だが、すぐに気を取り直して、質問を変えた。


「では、なんの問題だと思われますか」


「経済問題に端を発する、大規模なテロ行為と考えています」


「テロ、ですか」


 キャスターの口が疑問を表すように、開いたままで止まった。


「はい」


「しかし、発電所が破壊されたという情報は入っておりませんが・・・」


「そこです。問題なのは」


「といいますと?」


 森下教授によれば、アメリカを中心とする西側諸国から経済制裁を受けている国のテロ組織が、電磁パルス爆弾を使用したのではないかという。


「建物はそのままに、内部の電子機器等を破壊する武器です。EMP爆弾とも言います。小型で、しかも新型のEMP爆弾が、世界中で同時に使われたのでしょう。それ以外に、この事象を説明することはできません」


「ですが森下さん、停止した原発の周辺には、稼働している設備もあります。メルトダウンの報告もありません。その点はいかがですか」


「鋭い! その指摘はもっともです」


 さもありなんと教授は頷いた。


「従来の理論では説明がつかない、と申し上げておきましょう。ピンポイントで原子炉だけを狙う方法、およびその意図については、早期の究明が必要ですな」


「はい」


「ただ残念ながら、現時点において、それらの手がかりは全く無いのです」


「はあ・・・」


「引き続き、調査が行われるでしょうから、解析は遠からず進むと思われます。今は推測の域を出ませんが、EMPでなければ、このような攻撃は不可能です。それだけは確かでしょう。私の研究によれば・・・」


 原子力の専門家、森下教授の熱弁は、他のコメンテーターをウンザリさせつつ十五分ほど続いた。その後は議論百出喧々諤々(けんけんがくがく)、とどのつまり、原因は分からないという落ちがついて番組は終わった。



 EMP爆弾説が全国ネットで流れていた頃、晴太の通う高校では、生徒指導の教師がいつものジャージ姿で生徒の服装をチェックしていた。

 ここでは原発もミサイルも関係がない。世界の混乱をよそに、今日も学校は平和である。二年一組も、その点に変わりはなかった。


「おはよう」


「ああ、おはよう。昨日は面白かったな」


 祐介が晴太の背中をバンと張った。


「・・・ってぇな。面白くねえよ」


「晴太の秘密がダダ洩れ」


「やめてくれ」


 昨日は人生最悪の日だった。穴があったら入りたかった。

 今も人前に裸を晒したような気分だ。


「あ、北条」


 白いリボンで髪を結った政子が、軽やかに歩いて来る。ドキッとするほど明るい笑顔だ。


「おはよう。明日葉くん、昨日はありがとう」


 声にも面差しにも屈託がない。


「・・・・おはよう」


 アイドルのように完璧な笑顔を眺めながら、晴太は昨日のやり取りを思い出した。


「これ、春香ちゃんに」


 公園沿いの路上で政子は立ち止まり、一枚の紙を晴太へ差し出した。

 受け取ってみると、手のひらサイズの短冊であった。和紙に似た白い紙に、藍色の文字でなにやら書いてある。日本語ではない。


「これは?」


「家内安全、傷病(しょうびょう)平癒(へいゆ)のおまじない。春香ちゃんの部屋に貼ってもらえたらと思って」


 神社でもらった御札(おふだ)らしい。


「どうして、これを?」


「私の頼みを聞いてくれた御礼(おれい)


 そう言って、彼女は爽やかに微笑んだ。

 帰宅後にそのことを思い出した晴太は、ポケットから短冊を取り出し、妹に手渡した。春香は不思議そうに、短冊の文字を見つめて尋ねた。


「お兄ちゃん、これなあに?」


「北条がくれた。ありがたい御札だってさ」


「まさこちゃんが? ほんとう?」


「ああ、ほんとうだ」


「やったー」


 短冊を胸に抱いて、はしゃぐ春香が愛おしかった。

 そんなにうれしいのか。たかだか御札一枚だというのに。

 喜ぶ妹を見ているうちに、政子へ抱いた疑念は遠のいた。

 彼女から言われたとおりに、晴太はその短冊を春香の部屋のドアに貼った。効果のほどは分からないけれど、気は心というやつだ。



 なぜ政子が春香のことを気にかけるのか。

 おそらくその理由は、母の育代が問わず語りに聞かせた不幸な事故にある。そのことが、北条の琴線に触れたのだろうと、晴太は思っている。

 春香は三歳の時に、交通事故で脊椎を損傷し、下半身不随になった。育代が目を離したわずか一分の隙に起きた事故だった。轢き逃げ犯は、今に至るまで見つかっていない。


「できることなら、私が代わってあげたいのだけれど・・・」


 目頭を押さえた育代の隣で、春香は母の手を握っていた。


「う・・・ふぐっ・・・うぅ・・・」


 押し殺した嗚咽が聞こえた。晴太は慰めるつもりで、妹に歩み寄った。


「春香、泣かないで」


 顔を上げてキョトンとする妹を見て、ようやく気がついた。

 嗚咽は後ろから聞こえている。

 振り向くと、両手で口を押さえ、滂沱(ぼうだ)と涙を流す政子がいた。母に寄り添う春香の健気な姿を見て、彼女は(せき)を切ったように泣き出した。


「うわぁぁぁぁぁん・・・」


 春香は車椅子を操り、いち早く政子に歩み寄った。そして懸命に腕を伸ばし、泣きじゃくる政子の頭を撫でた。


「どうしたの? どこか痛いの? よーし、よしよし」


 母親が幼い娘を(いつく)しむが如く、やさしく(なだ)める様が微笑ましい。


「もう痛くないよ。ね? いたいの、いたいの、とんでけー」


 ぐずぐずと鼻を鳴らしながら政子は床に膝をつき、車椅子ごと春香を抱きしめた。


「ありがとう」


 その様子を見ていた晴太は、なぜかしら自分も泣けそうになり、あわててそっぽを向いた。それは祐介も同様だったらしい。お互いに相手の赤い眼を見て、あたふたと視線をそらした。



 その時の光景を、晴太は思い出していた。

 政子のひょんな訪問は、明日葉家に、とりわけ春香にささやかな幸せをもたらしてくれた。ここはひとつ礼を言わせてもらおう。


「北条がくれた御札、妹の部屋に貼らせてもらったよ。ありがとう」


「そう、よかった。また春香ちゃんに会いたいわ」


「いつでも歓迎するよ」


 政子は頬をゆるめて、晴太の席から離れていった。

 祐介の眼が、その後ろ姿を追っている。


「北条、変わったと思わないか?」


 祐介の口ぶりに好意が漂う。


「ああ、そうだな」


「まるで、別人みたいだ」


 その点も晴太は同感であった。

 たぶん、それは良い事なのだろう。退学間近と思われていた不良女子高生が、百八十度変身したのだ。普通に考えれば、喜ぶべき事に違いなかった。


 なのに、どうにもすっきりしない。嬉しさよりも違和感が強い。

 晴太は自分の漠とした不安を振り払おうと、強いて授業に没頭した。だが没頭しようとすればするほど、政子の白いリボンに眼が行ってしまう。うららかな日差しが教室を包み、窓際に座る彼女を金色に縁どっている。凛とした横顔は、単なる可愛らしさを超えて、神々しさすら感じさせた。


 不和の元凶だった政子が見違えるように変わった今、二年一組は平和そのものである。窓の外には澄んだ青い空がどこまでも広がり、休み時間にはそこかしこに(なご)やかな談笑が生まれた。

 だが、晴太の心は沈み込んだまま、一向に浮かび上がろうとしない。




 アメリカ国家安全保障局、通称NSAは、ミサイル基地の発射装置トラブルを同時多発テロとみなし、総力を挙げて犯人を調査していた。

 分析官を務めるチャールズ・ホワイトは、今こそ国家と国民の安寧を守る時だと、連日の激務に埋没した。そしてついに、偵察衛星の映像データと、ミサイル基地の監視映像に共通点を見つけた。ホワイトは、自分の仕事に間違いがないことを何度も確認し、上司のオフィスに出向いた。


 ドアをノックして、声が上ずらないように咳払いをする。ここに立つと、彼は必要以上に緊張するのが常であった。


「チャールズです」


「入り給え」


 所長のマシュー・クラークは、無機質な灰色の眼を持つ、白髪の男性だった。十五歳でテキサス工科大学を卒業し、情報工学関連の特許を百以上取得、二十歳で莫大な財を成したと言われている。「もう金に興味はない」とビジネスから身を引き、NSAに入って十年が経つ。この業界では伝説と言われる、異色の天才だ。


「報告します。基地の襲撃時に記録されていた赤外線映像に、犯人のものらしき痕跡を見つけました」


 マシューの顔には、およそ感情というものが現れない。所長と相対するたびに、チャールズは心の奥底を見透かされるような、居心地の悪さを感じた。


「続けたまえ」


「通常映像には、何も映っておりません。したがいまして、特殊なステルス機能が使われたと思われます」


 マシューは何も言わない。眼が続けろと言っていた。


「・・・あらゆるデータベースを調査した結果、偵察衛星の記録に、類似データが見つかりました」


「ふむ」


「基地の映像と、波長、波形が完全に一致します。同じと考えても、よいでしょう」


「場所は?」


「日本です」


「ほう・・・日本のどこだ」


「この地点です」


 チャールズはモバイル端末のディスプレイを指し示した。


「続けたまえ」


「はい。この場所は、二週間ほど前にストーンサークルが発見され、現在は発掘が行われています。ストーンサークルは、外周十キロの自然公園に囲まれており、公園周辺は一般住宅地です」


「住宅地ね。それで?」


「この遺跡は、基地攻撃と何らかの関係があると思われます。現地調査が必要ではないかと・・・」


「うむ。データとキミの解析結果を信頼するなら、そういうことになるだろう」


 偶然の一致である可能性は排除できないがな。

 マシューは内心で独り()ちた。


 これだけ大規模かつ異常な攻撃に、同盟国が、それも日本の古代遺跡が関係すると、わざわざ報告に来るとは。いやはや・・・こいつは降格も考えなければ。


「原子炉のほうはどうだ」


「解析中です。もうすぐ結果が出ます」


 チャールズはマシューの冷淡とも見える対応が少々不服だった。自分だけが不可視光線に着目し、そこから手掛かりを見つけ出したことは、賞賛されてしかるべきと思ったのだ。


 しかしマシューは、結果が出る前に部下を褒めるような男ではない。何事も結果、結果が全てである。どんなに良いアイディアであろうと、なんらかの利益に結びつかなければ意味はないと考えている。


「解析が終わったら、教えてくれ」


「了解です。それから・・・実は、同一波長のエネルギー体が、もう一つ、遺跡の近隣で見つかりました。大きさと移動速度からして、人間の可能性が高いと思われます」


「それを先に言いたまえ。特定できているのか?」


 マシューの眉が開いた。


「これからです」


「急いで遺跡周辺を洗え。衛星を全て使っても良い」


「はい」


 チャールズが退出した後で、マシューは大統領補佐官に連絡を入れた。


「お忙しいところ恐縮ですが、実は、折り入って相談がございまして。はい・・・大変に重要、かつ急を要します」




 二学期が始まって以来二週間、今日も政子は明るい。

 好感度アップの講座にでも通ったのかと思うほど、どこもかしこも、さり気なく爽やかにまとまっていた。

 夏まで金と赤だった髪の毛は、黒一色になった。白いリボンが良く似合う。しわひとつないスカートの丈は、校則通り膝下に納まっている。背筋はピシリと真っ直ぐに伸び、姿勢の良さはスタイルの良さを際立たせ、所作ひとつにも気品が感じられた。


 元の素材が良いから、ほんのり笑ってさえいれば、それだけでクラスメート、特に男子生徒の受けは格段に良い。笑顔を向けられただけで、ほとんどの男はメロメロである。政子に話しかけられて当惑していた女子の面々でさえも、それが当たり前のように振舞う彼女を無視できず、しばらくすると一緒に笑っているという有様だった。今も、クラスで一番派手な女子グループの面々が、彼女の話を聞いている。


「ねえ、質問してもいい? もし人類が滅亡するとしたら・・・」


 政子の声が、晴太の席まで聞こえていた。ここのところ、多くのクラスメートに同じ質問をしているらしい。彼女が言うところの、人類学に関する調査だった。


 新学期当初こそ不自然な振舞いのあった政子だが、ここ数日は、ごく自然体に思われた。相手が誰であろうと、話したいから話す、笑いたいから笑う。嫌な事を言われれば怒るものの、サッパリとして尾を引かない。口元には、常に微かな笑みが浮かんでいる。授業に遅れることも、サボることもない。


「ほんっとに変わったな。北条は」


 祐介の言葉に晴太も(うなず)いた。


「でも、昔は、あんな感じだったよ」


「それ、いつのこと?」


「小学校の三年生くらいまで」


「大昔じゃん」


「まあ、そうだけど」


 そのころ、政子の両親が離婚して、彼女は母親に引きとられた。離婚当時、両親がそろって浮気をしていたことが原因という噂もあったらしい。間もなく母親が再婚した義理の父親との折り合いが良くなかったようで、あんなに明るかった政子から、いつしか笑顔が消え、晴太との距離も開いてしまった。彼女には何の責任もない。大人のつけを回されたも同然である。


 そのことを知るのは、クラス内で、おそらく晴太だけだ。


 離婚原因の噂は、巡り巡って本人の耳に入ったかもしれない。そうなれば、当時の政子にはとても割り切れなかっただろう。彼女は大らかで優しい性格だったが、潔癖な一面もあったから。思春期を迎えて浮気の意味を知り、傷がより深くなった可能性もある。


 そういうことを取り留めも無く考えていたら、晴太と政子の眼が合ってしまった。

 あたふたする晴太を見て、政子は微かに眼を瞠り、白い歯をこぼした。


「おい、晴太。北条がお前のことを見てる」


「そ・・・そうかな」


「今のうちに、しっかりつかまえておけよ」


 祐介に背中をパンと張られ、晴太はモゴモゴと言い訳を口にした。


「いや、その・・・僕はそんな・・・誤解だ」


「正直になれよ。ライバルが多いぞ。こりゃあ、競争になりそうだ」


「え?」


「窓際を見てみろ」


 祐介の視線を追うと、数人の男子生徒が固まって、政子に熱い眼差しを送っていた。その中にはクラス委員の本田もいる。容姿、成績、運動神経と三拍子そろった女子生徒のアイドルだ。学校内にファンクラブがあるという噂も聞く。

 晴太は下を向き、深々と溜息をついた。


「僕には無理だ」


「何が無理なの?」


 政子の顔が、晴太の目の前にあった。


「わあっ」


「あら、ごめん。そんなに驚くなんて」


 帰りにカラオケへ行かないかと、政子は二人を誘った。


「私、行ったことないの。だから後学のためにもいいかなと思って。明日葉くんと荒木くんもどう?」


 放課後、緑川が行きつけのカラオケへ案内してくれるという。


「いいね。たまには行ってみるか。晴太も行くよな」


「あ、ああ・・・うん」


 緑川のような派手目の女子グループは苦手だ。話したこともないし、きっと話しても噛み合わないだろう。行くとは言ったものの、気乗りしなかった。


 晴太のネガティブ思考は、昔から筋金入りだ。行動する前に結果を考えるタイプの彼は、習慣的に、起こり得る最悪のケースを事前に想定する。今の彼なら、カラオケで一人ぽつねんと浮いた自分を想像していることだろう。


 彼は政子が誘ってくれた喜びが半分、緑川グループと行動を共にしなければならないという落胆が半分、どっちつかずの半端な気分で放課後を迎えた。

 今ひとつ気が進まないのには、別の理由もある。虫の知らせとでも言おうか、第六感が「行くな」と晴太に囁くのだった。こういう勘に限って、かなりの確率で当たるものだ。


 校門を出たところで、その予感は正しいと確信した。


「緑川さん」


 名前を呼ばれて、振り向いた彼女の顔に笑みが広がる。

 声の主は、本田とその仲間だった。


「変わったメンバーだね。どこへ行くの?」


 さり気なく声をかけるなあと晴太は感心した。口調と笑顔に全く嫌味がない。これなら女の子にモテるのも当然だ。同性から見ても完璧である。

 緑川が小さくしな(・・)をつくった。


「カラオケ」


「お、いいね。楽しそう。僕らも一緒に行っていいかな」


 晴太は心の中で舌打ちをした。あまり嬉しくない展開だ。


「繁華街まで行くけど、かまわない?」


「もちろん」


 夕刻の繁華街は、生徒指導の教師が抜き打ちで見回りに来ることもある。制服で歩いているところを見つかれば、やっかいなことになりそうだ。校則違反であることは間違いない。


「この格好で盛り場・・・」


 晴太の漏らした呟きを、本田は聞き逃してくれなかった。


「明日葉、何か心配でもあるのか?」


「いや、そうじゃないけど・・・」


 嫌な予感は見事に当たった。

 校則違反で捕まるのも嫌だが、緑川プラス本田も輪をかけて嫌だった。苦手なクラスメートがテンコ盛りだ。ハイリスクノーリターン。これなら来なきゃよかった、と思っても後の祭りである。


 祐介はと見やれば、意外に楽しそうだ。気さくで卒のない彼は、誰とでも仲が良い。晴太は、そんな祐介が羨ましかった。


「はあ・・・」


 思わず知らず溜息が出た。足が重い。胃が痛い。女子の黄色い声がうるさい。

 いっそ帰ろうか。

 そう思った矢先だった。


「どうしたの?」


 耳元で声がきこえた。


「わっ」


 すぐそばに政子がいた。

 音も気配もなかったから、心拍数が一気に跳ね上がった。


「・・・あ、ええと・・・どうもしない」


「うそだ。私には分かる。明日葉くんは、もう帰ろうかなと思っている」


 晴太はギョッとして政子を見た。


「当たった? フフフ・・・私の観察眼もなかなかのものね」


 黒々とした双眸がキラリと光る。


「余計なお世話かもしれないけれど、せっかくここまで来たんだから、とりあえず行ってみて、それでも嫌なら帰ればいいんじゃない?」


 すぐには二の句が継げなかった。


「・・・なんで、僕が帰ると思ったんだ?」


「表情筋、体温、それと脳波の変化」


「なんだよ、それ。意味わかんない」


「ハハハ・・・」


 晴太はすっかり気を削がれ、政子に釣られて頬がゆるんだ。


 六人から十人に増えた制服の一団は、繁華街の外れに位置する雑居ビルへ向かっていた。緑川が言うには「教師の巡回コースを外れている場所」なのだとか。


「だから安心しなさいよ、明日葉」


「あ、うん・・・」


 晴太は赤くなって下を向いた。心配性で後ろ向きな彼の為に、誰かがお節介を焼いてくれたらしい。


 途中、信号待ちの交差点に一人の男性が立っていた。

 寝ぐせがついた白髪交じりの髪、深い皺の刻まれた灰色の肌。手には擦り切れた黒いカバンを()げている。シャツだけがやけに白い。背中を丸めて下を向いた男性は、アスファルトの一点を見つめたまま、身じろぎもしなかった。見るからにくたびれた様子である。


 ふいに政子が男性の右腕に触れた。知り合いに声をかけるのか、と思うほど自然な仕草だった。

 一拍おいてノロノロと首を回し、精気のない灰色の顔を上げた男性は、隣に見知らぬ女子高生を認めて、わずかに眼を細めた。

 次の瞬間。


「あ・・・」


 驚愕を表すように口を開いた男性の顔が、見る間に紅潮してゆく。濁った眼が大きく開き、虚空を見据えている。苦悩に満ちていた面差しは、わずか数秒の間に穏やかな至福へと変貌を遂げた。


 政子は男性から手を離し、青信号で動き出したクラスメートの後に続いて、何事もなかったように横断歩道を渡ってゆく。晴太もそれに続いた。後が気になって振り向いた時、反射的に足が止まりかけた。立ち尽くす男性の頬に、涙が光っていたからだ。


「・・・・・」


 晴太の中で、忘れかけていた政子への疑念が大きくふくらんだ。

 訊くべきか訊かざるべきか。散々迷った末に、彼は政子の肩をつついた。


「北条」


 政子は小首をかしげ、晴太を見やった。


「今の男の人、知り合い?」


「男の人って、誰のこと?」


「横断歩道で・・・」


 不幸のどん底を絵に描いたような男性が、ほんのわずかな時間に見違えるほど変わってしまった。それも、彼女が腕に触れただけで。


「ああ、見ていたの?」


「うん」


 もし、この世に魔法使いがいるのなら、北条政子がそうであるに違いない。


「あの人、泣いていたよ」


「そうなの?」


 自分のしたことに自覚がないらしい。晴太は驚くよりも呆れた。


「そうなのって・・・いったい何をしたんだ?」


「言っても分からないわ」


「言ってみなきゃ、分からないよ」


「あ、なかなか言うわね」


 政子は悪戯っぽく笑った。


「へへ・・・」


「聞きたいなら教えてあげる。ヒーリングよ」


「・・・それなに?」


 心身を癒すことだと、政子は言った。


「・・・・・」


「ね? やっぱり分からない」


「分かるように説明を頼む」


「死にたい、死にそうだというシグナルを、彼から感じたの。だから(いや)してあげただけ」


「なぜ、死にそうだとわかる?」


「顔に書いてあったわ」


「ほんとかよ」


「確かめる方法はないけどね。それで、ちょっと力を貸したの」


 どこまでが本音でどこからが冗談なのか、さっぱり分からない。


「そもそも、力を貸したって、どういう意味?」


「袖触れ合うも他生の縁と言うでしょ」


「はぐらかさないで、教えてよ」


「秘密を守れる?」


「誓います」


「そこまで言うなら・・・」


 宇宙に存在するものは、物質もエネルギーも、全て地水火風の(ことわり)に支配されていると政子はいう。


「ちすい・・・ふざけてる?」


「いいえ」


 あらゆるものを構成する四つの基本元素、それが地水火風であるという。虫も動物も人も、地球そのものさえ例外ではない。元素はそれぞれ固有のエネルギーを持ち、必要に応じて集合離散する。それを地水火風の精霊を呼ぶ。


「私はその力を少しだけ借りることができるの」


 そんなバカなと言いかけて、晴太は口を閉じた。彼女が「ちょっと話し過ぎたわ」と目を伏せたからだ。


 それきり二人は黙々と歩いた。


 手当という言葉には、患部に手を当てて(いや)すという語源説があるはずだ。男性の腕に手を当てていた彼女の行動は、まさに手当そのものだった。余りにも苦しそうな男性を目の当たりにして、政子はつい手を伸ばし、男性の腕に触れてしまった、ということなら分からなくもない。それだけで、あんなに劇的な変化があるとは考えにくいが、救われる人もいる、ということだろうか。それとも、政子には特異な力が備わっている、ということなのか。もしそうであるなら、いつどこで授かった力なのだろう。茫然と涙を流す男性の姿が、晴太の目に焼きついて離れなかった。


 なぜか、政子の横顔は寂しそうだ。ここ最近の彼女にはない、ある種の憂いが漂っている。教えて欲しいと言っておきながら、話を疑う晴太に呆れたのか、あるいは死を願う男性に触れて感化されたのか。それとも、(はた)からは(うかが)い知れない心配事でもあるのだろうか。



 目的の雑居ビルに着いた一行は、二階から六階を占めるカラオケ店に入った。

 平日の昼間に五割の入りとは、なかなか繁盛しているようだ。店員が案内してくれた一室は、ゆったりしたL字ソファーと、小さなステージがある広い部屋だった。天井にはミラーボールが回り、テーブルにはマラカスとタンバリンが二つずつ置いてある。リクエスト用の検索端末も二台あった。

 奥から順に席が埋まり、一番手前に晴太と政子が座った。


「飲み物はどうする?」


「あたし、モスコミュール」


「アルコールじゃん」


「一杯くらい平気だって」


「そうそう、景気づけよ」


 飲み物が届く前に、一曲目の前奏が始まっていた。コンビニや街中など、どこへ行っても耳にする、有名な女性アイドルグループのナンバーだ。流行に(うと)い晴太でも、この曲は知っている。驚いたことに、祐介がマイクを握っていた。


 早々にクラスメートたちが盛り上がる中で、政子は検索端末に噛りついた。年代別、地域別、歌手別、ジャンル別など、リクエスト曲の傾向が、検索端末の液晶画面に数値で表示される。過去数年分の年度別グラフもあった。彼女はそれらのデータを、食い入るように見ている。


「それ、面白い?」


「とっても。こういうの大好き」


 政子の気を引こうとする男子が、入れ代わり立ち代わり隣に座っては、


「歌わないの?」


「うん」


「一緒に歌おうよ」


 と囁くのだが、


「私はいいの。他の人を誘って」


 ニッコリ笑う政子に優しく背中を押され、やんわりとだが有無を言わさず追い返されていた。一人残らず玉砕である。

(全く脈なしだな)

 晴太は自分を見ているようで胸が痛む一方、ホッとしていた。彼女は想像以上にガードが固い。


 しかし、本田だけは少々違った。


「北条さん、歌おうよ。キミの歌が聞きたい」


「私のことは気にしないで」


「何を見ているの? へえ、面白そうだな」


「ええ、そうね」


「これなんて、興味深いデータだよ。うん、なかなかどうして・・・」


 簡単には諦めず、執拗に食い下がった。それでも嫌味にならないところが凄い。モテる男は違うな、と晴太は妙に感心した。


 政子は一向に画面から顔を上げない。表示項目を変え、ソート順を変え、グラフの種類を変え、飽くことなく端末を眺めている。返事はするものの、何を言っても笑顔で「ええ、そうね」の一点張りだ。二人の落差は、下手な漫才より笑えた。


 それでも、本田は隣から離れない。相当な粘りというか、ここまで来れば根性である。晴太は内心、舌を巻く思いだった。


「本田くん」


「あ、やっと顔をあげてくれたね。うれしいよ」


「私、ボーイフレンドがいるの」


「あ・・・そ、そうなんだ」


 ショックだった。政子には付き合っている男がいた。

 晴太は動揺して口をパクパクさせたが、本田はすぐに立ち直り、軽い調子で尋ねた。


「どんな人?」


「〇〇大学の学生」


「へえぇ・・・すごいじゃん。頭がいいんだな」


「そうかしら。まあ、イケメンで背が高いし、悪くないかもね。彼、大学一年で起業して、今は会社を経営しているの」


「ええ? そ、そうなんだ・・・」


 さすがの本田もたじろいだ。


「この間、都心のマンションを購入したんですって。二億ポッキリ、お買い得物件だったとかなんとか、言っていたわ。是非一度遊びに来いって言うんだけど、本田くんも一緒に行ってみる?」


「あ・・・いやあ遠慮しておくよ」


 笑おうとした本田の頬がピクピクと痙攣した。


「そう。じゃ、そういうことで」


 政子は静かにではあるが、はっきりと言い放ち、検索端末の画面に眼を落した。

 本田の顔がくしゃりと歪む。晴太はあんぐりと口を開けたまま涙目だ。手に持っていたマラカスが、音を立てて床に落ちた。


 そんな二人には全くお構いなしに、エコーを効かせた恋愛ソングが、マラカスとタンバリンも総動員して鳴り響いた。


「もう恋なんてー、しないなんてー、言わないよぜえったいー。いぇい、サンキューエブリバディ」


「いいぞぉ、緑川」


 底抜けに明るい緑川の歌声は、失恋直後の本田を容赦なく打ちのめした。ミラーボールの光を浴びて、しおしおと去ってゆくクラス委員に、晴太は同情を禁じ得ない。


 それよりも、政子の彼氏とは誰だろう。晴太はハッとして顔を上げた。

 今すぐに知りたい。どうしても知りたい。全然知りたくないという気持ちとは裏腹に、気にしないではいられない。

 いったい、何処(どこ)の誰なんだ。


「北条さん」


「なに?」


「会社経営者のボーイフレンドって、誰なのか、訊いてもいい?」


 ストレート過ぎる、と思ったが時すでに遅し。こんなことでは、自分も嫌われるに違いない。

 政子は液晶画面から眼を離さず、わずかに眉を上げた。


「ああ、今の話? そんな人いないわ」


「え・・・?」


「私、こう見えて忙しいのよ。それに、有性生殖には興味ないの」


 彼女は白い歯を見せて囁いた。


「お金持ちの彼氏がいると言っておけば、大抵の男は近寄らないって、インターネットの記事で読んだから」


「ああ・・・そういうこと」


 晴太はぐったりとソファに体を預けた。

 成績優秀で容姿端麗なクラス委員が相手にならないくらいの素敵なボーイフレンドは、今のところいないらしい。とりあえず安心した。


「ネット情報も、まんざら出鱈目ばかりじゃないみたい。データ収集にはそれなりに有効だわ」


 可愛らしくウィンクをして、政子は床に落ちたマラカスに手を伸ばした。


「次はキミの番よ」


 晴太には馴染みの音楽と映像がディスプレイに流れた。


「え? おお、これか。でもなんで? いつのまに? あ、えへん、燃え上がーれー・・・」


 リクエストした覚えのない懐メロを、晴太は熱唱した。「オタクかw」「俺のオヤジの好きなやつだ」「いいぞ、晴太!」一斉にヤジと歓声が湧きあがる。タンバリンを打ち鳴らす者、一緒に歌う者、ステージで踊る者もいる。カラオケに興じるクラスメートは、学校では見せない笑顔と親しみを存分に見せてくれた。


 歌い終わりに出る点数で射幸心を煽られた一人が「満点出るまで帰れません」と言い出して、延長に次ぐ延長となってしまい、カラオケボックスを出たのは午後六時に近かった。


「もうこんな時間」


「やばい。塾のこと忘れてた」


 晴太たち十人は、急いで清算を済ませ、雑居ビル前で解散した。


「お腹すいた」


「面白かったね」


「さよなら」


 クラスメートは思い思いの方向へ散っていった。



 その様子を、見ていた男がいる。

 外回り中の銀行員と言えばしっくりする風貌に、しなやかで無駄の無い動き。ダークネイビーのスーツは、一目で高級な生地だと分かる。

 男は携帯電話を手にして、高校生の一団から少し離れたビルの脇に立っていた。


「ターゲットを補足しました」



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