表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王クエスト  作者: ぽち太郎
第1章
8/40

最初の町

「んだと、てめぇ!」


「やんのか、こらぁ!」


……これが勇者に見える奴は居ないだろう。


俺は面倒なので関わらないよう静かに酒を飲んでいた。


「てめえ、消し炭にしてやろうか!?」


「はっ! 返り討ちにしてやるよ」


「やれやれ~!」


「ぶっ殺せ!!」


段々とヒートアップしてきた様だ。回りも煽り出した。


店の中で魔法を使いかねない雰囲気だ。


「なら、黒焦げにしてやるよ! 《雷よ、我に力を貸したまえ、槍と成りて我が敵を貫け》」


男の前に、雷の槍が現れた。


「てめえがそのつもりなら……《炎よ、我に力を貸したまえ、矢と成りて我が敵に降り注げ》」


男の前には複数の炎の矢が現れた。


おいおい。本当に店の中でやる気かよ……。


「ちょ! お客さん! 外でやって下さいよ!!」


マスターが慌てて言った。


だが、もう遅い。


「「死ねぇ!!」」


2人の男の声がハモる。


雷の槍と炎の矢がぶつかり合う。


「《風よ、包め》」


誰かの声と共に、俺を含めたカウンター周りを風の結界が包む。


次の瞬間、爆風が店内を覆う。

机や酒瓶が飛び散っていく。


あ~あ。もったいね。


爆風が治まると店内は一変していた。


机や椅子は倒れ、数人は気を失っている。

魔法を放った2人も黒焦げになりながらピクピクしている。死んではいないようだ。


そんな中、結界の張られたカウンターの中だけは無傷だった。


「あ~あ~。派手にやったなぁ」


見ると、カウンターの脇に一人の男が座っていた。


男は172cmの俺様より少し背が高い程度で、赤っぽい茶髪を短く後ろで結んでいる。

軽薄そうな笑みを浮かべたその目は髪と同じ色をしていた。


この騒ぎで埃一つ付いていない。


カウンターに結界を張ったのはこいつか。今までの雑魚と比べれば中々やるようだ。


「わ、私の店が……」


マスターが呆然と呟く。


「まあまあ、酒は無事だろ? あいつらは片付けてやるから」


「《風よ、運べ》」


男がそう唱えると緩やかな風が吹いた。

風は倒れている男達を包むと、乱雑に外に放り出した。


同じ要領で、破壊された机や椅子も外に出した。


「あ…ありがとうございます」


まだ衝撃から抜けきらないマスターはかろうじて礼を言う。


「兄ちゃん、この騒ぎで眉ひとつ動かさないなんて、胆が据わってんなぁ」


男は軽薄そうな笑みを浮かべた顔で、声をかけてきた。


俺は軽くシカトしたが、気にせず隣に座ってくる。


「俺が結界張るの解ってた?」


尚も黙っていると、一人でどんどん喋りだした。


「俺はキースって言うんだ。あんたは? 見たとこ、あんたも勇者を目指しているんだろ? だったら俺と組まないか? あんなチンピラを仲間にする気は無いんだ。この町にもギルドが有るが、そこに行くのか? だったらやめた方がいいぜ、ここのはただのチンピラの集まりだ。隣町の方がいいぜ」


……うるさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ