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誰のせい?


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そうだ、京都へ行こう。みたいなノリで思った。


そうだ…………ゴーレムになろう。


あれから、学祭や体育祭の準備が始まると、みんな忙しくなったのか、自然と少しずつ嫌がらせが少なくなって来た。僕と美帆乃は、お互いに距離を取った。


これで昔と同じ。距離を取っても、幼なじみは変わらない。ただ、昔と違うのは…………僕には加島がいる。美帆乃には野々村がいる。


公園の帰りに、加島に言われた。

「それでも嫌いにならない?お前、催眠術にでもかかってんの?」

「かかってない。」

「それとも何?ドM?マゾなの?そっちが喜び?」

そんな訳あるか。そうじゃない。自分でもわからない。


でも…………


最近、美帆乃があまり笑わなくなった。


僕はみんなの視線を受けながら、段ボールで作ったゴーレムの衣装で、昼下がりの学校へ登校した。


めちゃくちゃ目立ってる。バカだってわかってる。それでも、これで何か変わるなんて思ってない。ただ…………また、美帆乃の笑顔が見たい。ただそれだけ。


この前、たまたま帰りが一緒になって、久しぶりに一緒に帰った。


「ねぇ悠太、もう一度私に催眠術かけてよ。ゴーレムが好きになるってやつ。」

僕は美帆乃の顔の前に手を置いて言った。

「あなたはだんだん眠くなる。次に目が覚めた時には…………」


今度こそ、僕はもう逃げない。


「僕の事を好きになっている。」

「悠太…………そんなの……目が覚めても変わらないよ?」

「じゃあ、やっぱりゴーレムが好きになっている。」

「あははははは!じゃあ、ゴーレム、好きになる。」


そう…………話をした。


僕が教室ヘ入ると教室は騒然となった。

「小崎!お前今さら登校……何だその格好は?」

僕のふざけた格好に、みんなが写真を撮った。

「小崎!?」

「小崎がゴーレムになった!」

「ゴーレムに……なった……。」

「悠太…………?」

「…………。」


思った通り、美帆乃は驚いていた。そして、大爆笑した。

「あははははははは!!何それ~!!ウケる~!」

大爆笑した後に言った。


「悠太、もうゴーレムとかいいから。私、これからARASHIのライブだから行くね!」

「えぇ?」

「ファンクラブ入って、抽選当たったんだ~!MJ堪能してくる~!じゃ!」


遠い人間に嫉妬。それくらいがちょうどいい。


残された僕は、やりきれない気持ちに、その場に崩れ落ちた。


加島が僕を見て言った。

「小崎、お前……何考えてんだ?」

「…………。」

「小崎!黙るな!黙るな小崎!」


もうMJに嫉妬なんかしない。いくらでも、MJのガチファンになってくれて構わない。


それでも側にいる。それでも、僕は美帆乃が好きだ。僕には、解けない魔法がかかっている。


それは…………誰のせい?


最後までお付き合いいただきありがとうございました。

大まかな構成がぼんやりしたまま書けば、もっとゆる~く自由に書けるかと思ったのですが、無計画で3話で視点を変えて書くルールは……自分自身、苦しくなるばかりでした。頭が爆発するかと思った!今は灰になった気分です。未熟者ですみません!!

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