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泣くぐらいなら


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普通に考えて……ここまで状況が悪化すると、小崎は終わりだと思う。


小崎は、飢えた猛獣の檻にバラ撒かれた餌みたいだった。この学校の飢えた猛獣達が、その餌を放っておくはずがない。


あの太田が、バレて困るような事はしない。ミホという人質が取られている以上、小崎は耐えるしかない。ミホもフラれた恨みとはいえ、ここまでする事ないのに……。


そこまでするほど好きになれるって……ある意味うらやましいけど。


「ちーちゃん、一緒に帰ろう!」

「太田は?いいの?」

「うん……。」

太田の名前を聞いて、ミホの顔があきらかに変わった。


「日直だから少し待ってて。」

「うん、待ってる。」

そう言ってミホは教卓の中に隠れた。何で教卓の中で隠れるの?


黒板の文字を消していると、太田がミホを探しに来た。

「ミホは?」

「え?」

教卓の中を見ると、必死で首を横に振っていた。


「さあ?先に帰ったと思うけど?」

「…………あ、そ。野々村、もしミホに会ったら伝えてよ。今日、体育館に小崎呼び出したって。面白いから見に来なよ。」


面白い…………?面白いわけがないよ。そんな悪趣味なもん見に行く訳ないでしょ……。私は黒板消しを置いて、自分の席に戻って日誌を書き始めた。しばらくすると、静かな教室に、泣き声が聞こえて来た。


「ぐすっ…………ひっく…………」

ミホが、教卓の中で泣いてる。泣くぐらいならこんな事するなよ。自業自得でしょ?ホント、めんどくさい。


日誌を適当に書いて、ミホに言った。

「ミホ、行くよ。」

「あ、うん。行こう。」

鞄と日誌を持って、ミホと教室を出た。


後悔するなら、ちゃんと考えて行動するべきだよ。泣くより、他にやる事があるでしょ?


「そっち……職員室じゃないよ?」

「ミホはこっち。自分のした事の結果はちゃんと見た方がいいんじゃない?」

「やっぱり……ちーちゃんは厳しいね。」

ミホは少し笑って体育館に入って行った。


体育館に入って行くミホを見送って思った。痛いのはミホだけじゃない。それを、ちゃんと確認してきた方がいい。


いくら後悔しても、今さら何も変わらない。


体育館からはボールの音が聞こえて来た。少し体育館をのぞいてみると、みんなで普通にバスケをやっていた。このままバスケやっててくれるといいんだけど……。


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