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目撃


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日野君と久しぶりにデートをした帰り道、一駅歩いた。


「この前、野々村さんも話しに来たんだよ。」

「何だか、少しづつ話す相手増えてますね~」

「うん、何だか私が学校で受け入れられてるみたいで、嬉しかった。」

この学校に来てから、私は存在しない人みたいで、どこにも居場所がなかった。だから、みんなのおかげで、ここに来て良かったと思えた。


「でも、後任の人見つかったんですよね?」

「うん、そう。」

とうとう、ちゃんとした資格のあるカウンセラーが見つかって、10月から私は無職になる。

「次の仕事決まらない感じですか?」

「一応、派遣の仕事は決まったんだけどね、11月から。」

「じゃ、1ヶ月間は暇ですよね?暇ですよね?」

暇じゃないよ!!


「あのね、日野君…………私…………」

「私…………?」

少し言うかどうか迷った。言う必要もないかな?と思ったし……。

「ちゃんと資格取ろうかなって思うの。ちゃんと資格のあるカウンセラーになって、みんなの話聞いてあげたいな。」

「え?あ、そっち?」

「何?おかしい?もう25になるなのに今から夢を追うのって変かな?」

やっとやりたい事が見つかった。今さら夢を語るとか…………


「びっくりした~!そんな事か。」

「そんな事?私の決意、そんな事!?」

日野君は何を予想してたんだろう?


「もう25?全然。まだ25でしょ。俺、菜都実先輩が何歳になったって、菜都実先輩の夢を応援したいと思いますよ?」

「それって何歳になっても一緒にいるつもり?」

「そのつもりですけど?何か?気持ち悪い?気持ち悪いっすか?」

気持ち悪いって言って欲しいのかな?

「あはははは!気持ち悪い。」


二人の間に和やかなムード?が流れていると、向かい側の歩道にふと見ると、知った顔が見えたような気がした。


良く見ると…………芦原さん?暗くて良く見えないけど…………多分、芦原さん。

「あれ……芦原さんかな?」

「隣は小崎?」

良く見たら、隣の男子小崎君じゃない。誰…………?隣は、見た事のない男の子だった。


「何だか…………小崎とは真逆のタイプの子と付き合ってるんだね。」

「付き合ってる?あれ、付き合ってる?」

ど、動揺が隠せない!

「あれ、付き合ってなく見える?」

芦原さんは、男子と腕を組んで歩いていた。何だろう?この、浮気現場目撃した感は……?見ちゃいけないもの見ちゃった感は……?


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