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カッコ悪い


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「夏休みにね、学校に呼び出されるのはわかるんだけど…………」

なっちゃんは呼び出された場所に何だか納得いかないようだった。

「嫌だった?」

「嫌とかじゃなくて……」


ゲームのコントローラーを置いて、悠太がため息をついて言った。

「ここ僕の家。呼び出すなら自分の家にしろよ。」

「あ、うん、すぐ出て行くからね!芦原さん、場所変えようか?ね?」

「なっちゃん、ミホ。ミホって呼んでよ。」

なっちゃんはどうやらまだ友達としては慣れないみたいで、芦原さんと呼ぶ。


「うん、それはいいから。あの……てっきりここ、芦原さんの家かと思ったんだけど……」

正直、悠太には会いたいけど、1人で来る勇気が無かった。ちーちゃんは今日は用事があるらしく、たまたまなっちゃんとのアポがあったから、場所をここにしてもらった。


「だって、友達の友達は友達でしょ?」

「友達の友達って……?」

「なっちゃんと友達になったの!」


ちーちゃんに言われた。私は悠太が好きなんじゃなくて、執着してるだけだって。悠太に執着して、まだ家に来てる。何だか私、カッコ悪い。人を好きになるってカッコ悪いのかな?


悠太の態度を見ていると……


好きという感情と共に憎しみの感情も生まれる。


「なっちゃん、私悠太にフラれたの、悠太の事、みっちり説教してやって。」

「は?フラれた?」

「私、先に学校行ってるね!」


そう言って、先に悠太の家を出た。


こんな事ならゴーレムが好きでいれば良かった。ずっと催眠術にかかったふりをすれば良かった。


「芦原さん!小崎ん家行ってたの?」

悠太の家の近くで、加島君と会った。

「うん、なっちゃんと来たの。」

「なっちゃん?」

「茂木先生。」


加島君は辺りを見回した。

「茂木先生は?」

「まだ悠太の家の中。」

「え?こんな暑い中外で待ってるの?大丈夫?」

外は暑い。だけど……私はここで待つしかない。加島君は私と別れて、悠太の家に入って行った。


しばらくすると、なっちゃんが悠太の家から出て来た。


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