重要
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『俺が芦原さんを離したくないのは、多分、小崎を離したくないからだよ。』
加島君の言葉が理解できない。
「それ、加島の気持ちなんとなくわかる。」
「えぇっ!」
ちーちゃんも悠太が好きなの!?
「違うから。勘違いしないでね?」
バスケの練習がない日は、ちーちゃんとマックでおしゃべりした。
「だって、気持ちわかるって……。私、全然わかんない。」
「私だって、ミホの頭の中小崎でいっぱいだと、ミホとられてるな~って思うもん。」
そっか……ちーちゃんそう思うんだ……。
「じゃあ、もし私が加島の事で頭がいっぱいで、遊べない。って言ったら?」
「…………そこは我慢するよ。」
やっぱり。ちーちゃん加島君の事好きなんだ。そうなんだ。やっぱり別れて良かった。これで二人は進展するよね。
「もし、もしもの話だから!」
ちーちゃんは慌てて否定したけど、本当にもしもの話なのかな?ちーちゃんにしては、最近加島君の話が多いと思うんだけど……?
「多分、そうゆう意味の離したくないだと思うよ?」
「そうゆう意味の離したくない?」
「それとも何?そんなにミホが小崎が好きだと、私も好きになっちゃうかも~!とか言って欲しい?」
ちーちゃんはからかうように言った。
「やめてよ!ちーちゃん!」
それは困る!ちーちゃんとライバルなんて嫌だよ!!
「いや……小崎はマジ無理だわ……。」
「やめてよ!そのリアルトーン!」
逆にそんなにマジな感じで無理って言われると…………それはそれで複雑な気持ちになるんだけど。
「ミホをは押しすぎなんだよ!少しは引いてみなよ。」
「引いたよ!ドーンと引いたよ!ドーンと引いて加島君と付き合ったよ!もう別れたけど!」
「別れたぁ!?早っ!!」
ちーちゃんは驚いていた。早いよね。それでも、これ以上加島を傷つけるのは違うと思った。
付き合うって何?口約束があればいいの?言葉ってそんなに重要なの?
そりゃ重要だよね……。もし、悠太に他に女ができたら?私に間に入る資格なんてない…………いやいや、悠太に限ってそんな事ない。…………ないと思いたい!!
「ミホ、大丈夫?」
私は我にかえって、ちーちゃんに相談した。
「ちーちゃん、私、悠太に告白したんだけど……」
「ええっ!?小崎に告ったの?だから加島と別れたんだね……。小崎の答えは?」
「答え…………?」
答えは…………
「…………無理って。無理ってどうゆう事?」
ちーちゃんはしばらく黙った。黙った後、こう言った。
「無理って…………無理って事だろうね。」
言葉って、重要だよね。