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集中できない


73


夏場の体育館は死にそうだった。


「小崎、生きてるか?」

「死ぬ……死んでる……。」

「よし、まだ喋れるな!行くぞ!」

僕達はまた、ディフェンスに走った。


このくそ暑い中、美帆乃は野々村と一緒に、僕の監視に来た。応援だと言っていたけど……全然応援じゃない。まるで体育館の監視員だ。


「悠太がパスとったよ!」

「いや、取るでしょ!」

感動しすぎだ美帆乃。


「悠太がシュート打った!」

「いや、打つでしょ!」

だから感動しすぎだって。


「悠太、ドリブル続くよ?凄くない?」

「まぁ、あのポンコツが上達したと思うよ。」

あの野々村が褒めた!?

「小崎よそ見すんな!!」


思わず、先輩にボールを取られた。

「小崎!!集中!!」

集中!!って言われて集中できるか!?体育館が暑いからじゃない。


好きと言われた相手が見ている。パスを送る奴と付き合ってて、何も思わず平然とボールを送れるか?


おかげで加島の顔がまともに見れなかった。ボールを持って、平静を保つのがやっとだ。


美帆乃の好きは、幼なじみの好きかもしれない。きっとそうだ、友達としての好きだ。そう思えば軽くなる。


「加島、こっちだ!!」

「小崎!!頼む!!」


加島にパスされたボールを外側から狙って投げた。珍しくそのシュートが成功した。

「やったな!小崎!」


嬉しいはずのゴールシュートが、複雑な気持ちになった。この加島の笑顔が…………いつか崩れると思うと、何だか素直に喜べなかった。


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