女子会
7
「久しぶり~!」
私達はそれぞれ、久々の再会に喜んだ。私達四人は同じ大学の同級生で大学の時はいつも一緒にいた。
そこそこ挨拶を済ませると、私達は予約していたレストランに入った。
「結花は?」
「遅れて来るって。」
お酒や食事を注文すると、愛美が訊いてきた。
「菜都実はカウンセラーの仕事どうなの?伯父さんの高校だっけ?」
そう、私は高校生の話し相手。何の資格もない私が何故スクールカウンセラーになったかと言うと、ただの中継ぎ。本当は教師になろうかな~と漠然と考えていた。しかし、どこも採用が決まらず、お母さんが伯父に相談した結果、教師としての採用はできないけど、次のスクールカウンセラーが見つかるまで、話し相手をして欲しいとの事だった。
「まぁ、ボチボチ?」
「ボチボチって……まぁ、菜都実は聞き上手だから向いてると思うよ?」
そうかな?私はいつも三人に相談に乗ってもらってる気がするけど……。
「ねぇ、催眠術にかかって解けない場合って、どうすればいいのかな?」
「はぁ?」
私は詳しくは話さず、一般論を訊いてみた。
「催眠術をかけた人に解いてもらえばいーじゃん。」
「それが、かけた人が解けないんだって。」
「うーん、じゃあ、プロに任せるとか?」
プロ…………!?その手があったか!
「まぁ、でも、本物のプロってどこにいるのかな~?」
「検索してみる?」
「あ、もういいよ。この話は忘れて。」
検索して見つかったとしても、胡散臭くて頼めないよ……。高校生にそんな人紹介できないし。
そんな時、結花が遅れてやってきた。
「遅れてごめんね!ダメだって言ったんだけど、彼氏がついて来ちゃって。」
「…………。」
みんなが黙った後に、愛美が結花に訊いてしまった。
「…………彼氏ってどこ?」
結花は、さも当たり前かのように言った。
「どこ?…………どこって隣に。ほら。」
「…………。」
結花の隣には誰もいなかった。
ど、どおしたらいいの!?この状況、どうしたらいいの?!
友達の彼氏が…………透明人間……。
私は頭を抱えた。
「ま、まぁ、ひとまず、座って座って。話はそれから。ね?」
「そ、そうだね!結花、こっち。彼氏は……その隣で。」
みんな…………優しい。対応が大人。