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罪の重さ


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何だか笑えた。芦原さんの、好きな人がゴーレムなら両思いって…………冗談。


夏休みに呼び出されて、何を話されるのかと思ったら…………思いの外ヘビーな話だった。本来は、いけない事をした。だから叱ったりしなきゃいけないんだろうけど……私は先生じゃないし、どうしてこうなったのか訳もわからない。


話の内容的には笑えなかったけど、笑うしかなかった。だって…………


誰かの顔色を伺っていたら、いつまでも勝てない。


そう、加島君に言ったのは私……。


それは、加島君が芦原さんに告白しても…………芦原さんは断ると思ったから。まさか、付き合う事になってるなんて……。


「先生、自分が悪い事したのに、他人の事を責めるって……どんな心境だと思います?」

「う~ん、それって難しい質問。例えば、自分の罪に自覚がないか…………状況にもよるだろうけど、自分の罪の重さと比較して、罪が重いと感じたから?とか?」


難しい……こうゆう質問、頭痛くなってきちゃう。やっぱり私向いてないなぁ……。


「それって……嫌いだから?」

「それは……どうかわからないよ。自分自身を許せないからこそ、他人を責めちゃう人もいるし……。」

「どうしたら許してもらえるのかな?謝って許されるのかな?」


そう言って、芦原さんは泣き出してしまった。


その事を、日野君に話してみた。

「日野君、もし私が他の人とキスしたって言ったらどうする?」

「え…………?えぇえ?!どう、どうする?」


日野君は少し考えて言った。

「あの…………俺達付き合ってますよね?付き合うって話になりましたよね?あれ、夢ですか?夢でした?」

「ちょっ、ちょっと落ち着こうか?」


日野君がここまで動揺するとは思わなかった……。

「他の人?他の人って誰ですか?先輩ですか?後輩ですか?先生ですか?生徒ですか?」

うわっ!めんどくさ~!こんな事聞くんじゃなかった……。


「先輩には失望しましたよ!」

「だから、もしもの話だっつーの!!」

そうか…………期待や信頼があればあるほど、裏切られた思いや失望感が大きいのかも。


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