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本心


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ミホを玄関で送った後、体育館に行った。体育館では、小崎がまだ練習していた。


「これで本当に良かったの?小崎。」

「うん、助かった。」

そう言って小崎はまたシュートの練習をしていた。


ミホと加島の反応で、薄々そうじゃないかな?とは思ってたけど……実際加島にミホを譲るとなると、少し寂しかった。


「しっかし、相変わらず下手だねぇ~!教えてあげる。ひじ、こう。角度90度保って。」

「野々村は……バスケ経験者?」

「中学までね~!」

未経験でここまでできるわけがないでしょ。


「小崎はどうして急に始めようとと思ったの?」

「一番……無理だと思ったから。」

「はぁ?普通、無理な事じゃなくて、できそうな事やるんじゃないの?」

相変わらず、私には理解できない。


小崎はそれから、何度も何度もシュートをするけど…………全然入らない。

「こうやって、集中して打ち込んでいれば、忘れていられる。バスケの事を考えていれば、他の事を考えなくていい。」

「まぁ、ボール触ってると余計な事考えたりしないよね。」

余計な事…………?余計じゃないよね?


「小崎!バカ!バカか小崎!!」

「バカ……下手じゃなくて?バカ?」

「ちゃんと考えろ!!本当はミホの事どう思ってるのか、ちゃんと考えろ!!」

他人の事言えないけど…………。

「考えて…………答えが出たんだよ。」

答え…………?これが?


「僕は恋人が欲しい訳じゃない。友達が欲しいんだ。」

「それ、どっちかなの?どっちも欲しいとは思わないの?」

「野々村は欲張りだね。」

欲張り?それが普通じゃない?


「あのさ、小崎、本当にシュート入れたい?」

「は?」

「入ればいいな~とか、何となくこのくらいかなとか、そんなんじゃ、いつまでたっても入るようにはならないよ。絶対に入れる!シュート決めてやる!!自分のボールに最後まで責任持ちなよ。」

小崎が本心でバスケを上達したいとは思えないよ…………。だって、本当にやりたい奴に、普通そんなアドバイスしない。


「やっぱりいた!」

体育館の入り口からミホと加島が入って来た。え?何で?さっき、二人で帰ったはず……。

「ミホ!どうして?」

「校門で日野さんに会ったんだよ!」

「日野さん来てるの?」

日野さんって…………茂木先生の彼氏?が、何しに?


「茂木先生といい感じになってるからみんなで見に行こう!」

いやいや、いい感じになってたら邪魔じゃない?それ、邪魔しに行くって言うんだよ?


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