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作戦失敗



「えー!結局、催眠術にかかったふりしてたって言えなかったの?」

放課後、マックで親友のちーちゃんに相談した。

「うん……まぁ……。」

「じゃあ、悠太にはまだ、ミホが催眠術にかかったままだと思ってるの?」

私は黙って頷いた。


そう、多分そう。悠太はまだ私の事を、催眠術でゴーレム好きになった可哀想な幼なじみ。に見えてるみたい……。


「可哀想に。スクールカウンセラーにまで相談に行ってるらしいよ?」

「スクールカウンセラー!?」

マジ!?そこまで!?そこまで悩ませていたの!?

「あーでも、あれは多分、年上の女目当てだね。結構男子が、悩み相談とか言って口説きに行ってるらしいよ?」


嘘でしょ!?悠太が年上好き……!?


そりゃ、ゴーレム好きとか言ってる頭のオカシイ女子高生なんかより…………経験豊富な年上の熟女の方が…………じゃあ私何やってんの!?ゴーレム好きキャラ無意味!!もはや無意味じゃん!!


「あのさ、そもそもどうして催眠術にかかるふりなんかしたの?」

「だってちーちゃんが空想の彼氏を作れって言ったから……」

「はぁ?あ、透明の彼氏の話?ま、まぁ、確かに言ったよ?言ったけど、そうゆう意味じゃないよ!」


なかなかその作戦をやるきっかけがなくて、催眠術の本を見た時に、これだ!と思い出して、作戦を実行してみた。


「あれは、ミホが幼なじみから恋人同士になりたいって言うから……他に男がいる素振り見せて揺さぶりかけてみれば?って提案したの!」

「だから、他に好きな人……」

「誰もゴーレムと付き合えなんて言ってないよ!バカなの?ミホもだけど、信じる方もどうかしてるよ!あんた達二人ともバカなの?」


バカ…………と言われて否定できない自分が情けない。


この、人の事をバカ呼ばわりしているちーちゃんは、架空の彼氏を作り、その素振りを見せつけて、今の彼氏の心を揺さぶった。そして、見事彼氏が自分に告白するように仕向けた。

「男がみんな誰かのものになる前にって思う訳じゃないって言ったよね?…………いや、そもそもそうゆう話ですらないし!誰もゴーレムにとられちゃう!ドキドキ!ってならないし!!」


だから、私もちーちゃんを見習って、幼なじみの殻を脱出するために、悠太に揺さぶりをかけた。

「それ、揺さぶりになってないから!いや、ある意味、精神的揺さぶりにはなってるだろうけど、恋愛的な揺さぶりには全然なってないから!」

全然なってなかったらしい。


どうやら、私が決死の覚悟で実行した作戦は、失敗だったらしい……。


実際、悠太は私の事を考えるどころか…………別の女の所に行ってしまった。


「うわぁ……。どうしよう……。もうダメだぁ~!」

私は頭を抱えて落ち込んだ。

「あ~!もう、うっとうしい!だったらミホもスクールカウンセラーに会って、噛みついて来るくらいの気合い見せなよ!」

スクールカウンセラーに会う?


そういえば、悠太の好きな人って…………どんな人なんだろう?気になる……。


私は気合いを入れて、スクールカウンセラーに会う事を決心した。


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