相談
43
結局、相談はいつもの友達にした。
「何?菜都美が集めるのって珍しくない?」
「何かあった?まさか、結婚!?」
「待ってよ、私まだ23だよ?」
愛美は胸をなでおろしていた。
普段誘わない人が誘うとこうゆう反応なんだ……。
「まだ23?そんな事言ってたらすぐオバサンだよ?23って言ったらうちの親が結婚した年だよ?」
「それ今とは時代が違うから。今は逆に早いって言われる年でしょ。ま、うちの親は23で私を産んだけどね。」
結花のママは若いと思ってたけど……46?!
「子供……今?全然想像つかない……。」
ビールが3杯運ばれて来ると、三人で乾杯をした。
「そういえば、この前言ってた後輩?その後どうなったの?」
そうそう、その話。私は日野君の話を二人に話した。
「えー!それはないよ~!」
「え?そう?私は別に気にしないかな?」
「だって、悪気ないでしょ?悪気ない人には裏切られる可能性アリだよ?」
確かに……。私もそう思った。
「それが何?そうやってビビって恋愛して来なかったから彼氏いない歴イコール年齢になったんでしょ!?」
おっしゃる通りです。
「今回は珍しく菜都美も頑張ってるよね!他の女に嫉妬するまでになったんだもん!お祝いだね~!はい、乾杯~!」
「でも、まだまだこれからだよ?」
「愛美は菜都美に厳しいね~!」
「はぁ?恋愛は厳しいのよ?誰にでもいい顔してたら、欲しいものなんて手に入らないんだよ?特に、菜都美は優しいから、誰にでもいい顔しがちでしょ?」
それも……おっしゃる通りです。
そして…………いつものパターンは、このまま逃げる。
「今の所まだ逃げてない?」
「う、うん……。」
「偉いね~!はい、乾杯~!」
何回乾杯させるつもり?結花、親戚のオジサンみたいだよ?
転職と共に考えなきゃいけない事といえば…………
日野君には、別れ際にこう言われた。
「昔がそうだったからとかじゃなくて、今を見てください。今の俺を見て、今どうしたいか考えてください。」
乾杯した後、愛美は言った。
「私、解けない魔法なんてないと思うんだよね。恋の魔法なんていずれ解けるもんだと思う。その、後輩君の親みたいに、子供が成人すればアッサリ別れる。それでもいいじゃない。それでも今その時、側にいたい人の側にいれば……。」
「え……愛美、まさか不倫してる?」
「そんなわけないでしょ!?」
「あ~あ!それには、自力で生き抜く力が必要だよね~!先立つものはなんとやらだよ……。やっと決まったと思えばまた就活……。」
「え~!?もうクビ?」
「まだ……でも、いつでもクビになる覚悟でいないと……中継ぎだし。」
結花が名案と言わんばかりに提案した。
「じゃあさ、養ってもらう人探そうか?」
「いっそのこと結婚すれば?」
「みんな、結婚も離婚もホイホイするもんじゃないんだよ?もっと慎重にならないと……。」
二人は、慎重になった結果がそれ?と言わんばかりにこっちを見て来る。あーそうですよ!
昔と今じゃ違うのかもしれない。でも……昔も今も同じ。
…………傷つくのは怖い。