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失恋


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「小崎君は何て言うか……独特よね。つい最近まで私、小崎君が加島の事好きなのかと勘違いしてたの。だって、小崎君全然説明が足りなくて……」

説明が…………足りない?

「この前急に、別に加島君と付き合いたい訳じゃないって言われて……。」


じゃあ……やっぱり……『加島を好きになっている。』の意味は…………


「小崎君は少しアウトプットが下手なのかもね。思っている事をちゃんと表現できないんじゃないかな?」

やめてよ先生……。するべきじゃない期待を…………無謀な期待しちゃう。悠太の真意は別にあるんじゃないかって…………勘違いしちゃいそうになる。


小学生の時の事を思い出した。あれは何年の時だっけ?ちゃんと思い出せない。あの頃は悠太はすごく無口で…………今よりもっと誤解されてた。


「違うよ。悠太のさっきの、うん。は、いらないって事じゃなくて、いるって事だよ。」

昔から側にいたせいか、悠太の足りない言葉が何となくわかった。


「美帆乃、ありがとう。」

フォローすると、悠太はいつも笑顔でそう言った。その笑顔を見て、私は悠太に必要とされてると思った。


大きくなるにつれて、悠太も少しづつ、思う事を他人に伝えられるようになってからは…………その笑顔は見られなくなった。


「じゃあ、どうして芦原さんの誤解は解かないの?って聞いたの。」

「誤解を解く必要がないからですか?」

「誤解を解けば、自分の側から離れて行くから。だって。意味わかる?」


それは、離れて欲しいの?離れて欲しくないの?


わからない。今はもう…………悠太が何を考えてるのかわからない。今はもう、悠太が遠い。


私は、悠太にとって、もう必要ないの?


私…………悠太から卒業しなきゃいけないの?


私が悠太につきまとうから、悠太は加島君を好きになれって言ったの?


私達、あの頃まま、ずっと一緒にはいられないの?


そう思うと…………胸が熱くなって、涙がこぼれた。おかしい。フラれた時には…………出なかったのに。何で…………今?


「え?芦原さん、どうしたの?私、何か気に障る事言った?」

「うんん。ごめんなさい。先生…………私、フラれちゃった……。」

「ええっ?」


どうしよう……。


涙が…………止まらない。


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