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望み通り


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「目覚めた時には…………加島を好きになる。」


悠太がそう言った。その真意がわからない。


自分の好きな人を好きになって欲しいって事なのか、男として加島君とつき合えって事なのか…………どっち?


どっちにしても、私…………フラれてる。私…………フラれた?


私はその時、何も考えられなくて…………何も言わず部屋の外に出た。やっぱりヤダ!!もう一度、部屋に入ろうとした。


でも、そのドアは開けられなかった。次にこのドアを開けたら、悠太にどんな自分で接すればいいの?


催眠術にかかったふりして、加島君を好きになったふりをすればいい?それとも…………潔くフラれなきゃダメ?


悠太の部屋のドアは…………あまりに重く、厚く感じた。


今まで、悠太の側にいても、何も言われなかった。だから、悠太も私の事好きでいてくれてるのかと思ってた。何も言わないのは……好きだからじゃなかった。私が勝手に…………そう勘違いしてただけなんだ。


今までの二人の時間って…………何だったの?


何故か……涙は出なかった。放心状態のまま、悠太の家を出ると、加島君とバッタリ会った。


「あ、芦原さん。今帰り?これ、小崎の忘れ物届けて…………」

「加島君、私と付き合って。」

「はぁ?!」


催眠術に、かかればいいんだよね?


「どうしたの?突然?」

「催眠術にかかったから。」

「はぁ?」


催眠術に、かかれば……。


「付き合ってくれるの?くれないの?」

「小崎は……?小崎は何て?」

「悠太は関係ないでしょ。」


かかればいいんでしょ?かかれば!!だったら望み通りにするだけ。悠太のバカ!!


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