表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/90

自分勝手


33


試合に…………負けた。


久しぶりのスポーツ楽しかった!!私は満足だった。


私は満足だけど…………


これで小崎は加島のもの。小崎が加島のもの…………リアルに笑える。


加島が終了時間ギリギリに放ったシュートが奇跡的に入って、思わず勝ってしまった。その時の加島の顔が…………やってしまった!!という顔が…………思い出すと今でも笑える。


それよりも…………ミホの落ち込み様といったら……正直……ウザイ。

「うぇえええええ~!!悠太が加島君の彼氏にぃい~!!うぇえええええ~!!」

「いや、だから、加島は小崎が好きな訳じゃないから」

何で私がフォローしなきゃいけないの?!めんどくさい!加島早く告れ!!


私はしびれを切らして、加島に言いに言った。

「加島、ちょっと顔貸してくれない?」

「何?加島シメられるの?」

「うるさい!」

イライラした。


加島が廊下に出て来ると、私は加島に迫った。

「加島!!早く告れ!!早く!!早く早く!!」

「近い近い!野々村近い!」

「お~!野々村積極的だな~!」

入り口側の男子が茶化した。


「バカ!私にじゃないよ!自分が自分に告れとか言うくらいなら、自分から告るっつの!!」

「あの……いや、それは……その……。」

「それとも何?私に惚れちゃった?お前単純なの?チョロいな。チョロ松か?」

腹が立ち過ぎて、いらない事まで言ってしまう。


「はぁ?そんな訳ないだろ?」

「じゃあ、さっさと告って誤解を解いて!こっちは迷惑してんの!ミホが落ち込んでるの!小崎を取られたって落ち込んでるの!そこにつけこむなら今でしょ!?」

「今でしょ?は古いだろ?」

加島の一言にさらにイラついた。


「はぁ?茶化してる場合じゃないでしょ!?バカにしてんの?」

「野々村、お前さ、芦原さんと友達なんだろ?芦原さんの事までめんどくさいとか思ってる?」

「…………。」


図星過ぎて、言葉を失った。

「それって……自分の事しか考えられてないんだな。だからフラれるんじゃね?」

「だ……だから何?私が誰にフラれようがあんたに関係ないでしょ!?大きなお世話!!」


ムカつく…………!!ムカつくムカつくムカつく…………!!


何がムカつくって…………それは、事実だから。わかってるよ!!自分でもわかってる!!


それでも…………ミホが加島と付き合えば、少なくともミホは辛くない。小崎が捨てられても、ミホだけは幸せになれる。


自分勝手かもしれないけど…………その選択は間違ってない……。そう思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ