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根元の所



「という訳なんです。あ、デコられたゴーレムの写真見ますか?」

「あ、いいよ。この前本人から見せられたから……あ、見せてもらったから。」

先生今、完全に見せられたって言った……。


元木先生は思ったより若い女の先生だった。若過ぎるくらいだ。てっきりお婆ちゃんに近いオバさんか、オジさんかと思っていたから、最初は少し驚いた。


「そういえば芦原さん、この前私の所に来たよ~?悠太は何に悩んでるんですか?って聞かれたよ。」

お前の事で悩んでるんだけどな!

「カウンセラーの所に相談してるって知ったらきっと、君の事心配になったんだろうね。」

美帆乃が…………?僕の事を?


「ギラッギラのゴーレムの写真を見せながら言ってたよ?」

な、何を…………?

「君が…………ゴーレムに嫉妬してるって。」

してねぇー!!MJにはしたけど、ゴーレムに微塵もしてねぇー!!


「先生、僕はどうしたらいいですか?」

「君は、どうしたいの?」

どうしたい…………?それは、元の美帆乃に戻って欲しい。以前の普通の美帆乃に…………!


「ものは考えようでさ、芦原さんただゴーレムにハマっただけじゃないの?根元の所も変わったの?」

根元の所…………?根元ってどこ?


「元の芦原さんって、どんな子だったの?」

元の美帆乃……?


ああなる前の美帆乃ってどんな奴だっけ………?


まず、美帆乃はあまり笑わない。二人でいても基本静かだった。

「ぎゃはははは!!」

「ミホウケる~!」

でも今は、クラスメイトにゴーレムをいじられて、いつも笑っている気がする。


それに、美帆乃は自己主張をあまりしない。好きな物を好きと言わない。だから、僕は美帆乃が何を好きなのか、あまり知らない。


「黄土色も好きだけど…………ちょっとブルーのやつも好き!!」

でも、今は好きな物は明確だ。


僕は美帆乃が隣にいるのが当たり前で、隣にいた美帆乃の事をもっと知ろうとは思わなかった。


確かに、昔から好きな物があると、夢中になるクセはあったけど……ここまでになった事があったか?


もうすぐ授業が始まる……。僕はモヤモヤした気持ちは消えないまま、教室へ戻った。


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