誤解
26
魔法が…………解けない。
いや、普通に芦原さんの誤解が解けない。
今さら、芦原さんに訊いてみた。
「あの…………芦原さん、告白の返事なんだけど…………。」
「え?はぁ?」
「あ、うん、だよね。」
ですよね。そうですよね…………。
そうですよね!!完全に忘れられてる!!
「加島ドンマ~イ!」
芦原さんの友達の……確か野々村?野々村千尋にイジられた。他人の事をイジってる場合か?駅のホームでお前がガン見してた男、隣の女といちゃついてたぞ?
「多分、ミホは告白だと思ってないよ?」
「は……?」
「加島の告白、完全にスルーしてたよ。それどころか、完全にライバル視してるよ?」
ライバル…………?それ…………もしかして俺、好きな人と小崎を取り合ってる?いや、小崎は欲しくねぇだろ!!
ちゃんと芦原さんの誤解を解いて、ちゃんと告白しなければ!!
「芦原さんは?」
野々村に芦原さんの居場所を聞いた。一刻も早く誤解を解きたい。
「資料室に行ったと思うけど?」
「サンキュー!」
資料室へ行くと、そこにはちょうど、キャスターつきの椅子の上にに乗って、今にもくずれ落ちそうな人がいて、とっさに支えた。お姫様抱っこのようになった。
「危ない!!」
重い!!その瞬間確実にわかった。芦原さんじゃない。
「……加島……。」
え?その声……………………小崎!?
「え?何で小崎がここに?」
「加島君…………やっぱり…………。」
小崎を支えていると、いつの間にか後ろに、芦原さんがいた。やっぱりって……。
「あ、いや、芦原さん、これは……。」
人違いとも言えず、小崎から手を放した。
「もう…………隠さなくていいよ?加島君がその気なら…………勝負しよう!!悠太をかけて、男と女の戦いをしよう!!」
それを言うなら…………男と男の戦いだよね?男と女の戦いって何?