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ダメ出し


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「それは…………ダメだよ。ドア無理やりこじ開けるとか……そこは黙って帰って日を改めないと……。」

「えぇっ!!だって……だって……」

ちーちゃんにダメ出しされた。


ドアをこじ開けるとかダメなんだ……。だって、顔見て話したかったし……悠太がホモとか信じられないし……。日を改めるとか無理だよぉ~!


「そんな……首根っこ掴んで引きずり出すみたいな……可哀想に小崎……。」

可哀想……?

「だって、キスしてる所見られたんだよ?キスだよ?しかも男と!そこは触れないであげてよ!」


「だからって逆ギレはないと思う。私、男になるって言ったら、そうしろって言ったんだよ?」

「はぁ?」

「私…………男になる!ちーちゃん付き合って!」

私は冗談のつもりでそう言った。


「あ、ちーちゃんには彼氏がいるか。」

「いいよ。」

「え?えぇっ?」

そんな快諾されると思わなかった。


「私、彼氏と別れたんだよね~」

「え…………えぇえええええ~!!またぁ!?」

「あはははははは!!また!!」

ちょ、笑い事じゃないよ!


こうゆう時…………なんて言っていいかわからない。ちーちゃんはいつも明るくて、本気じゃなかった~なんて笑ってるから……。


「彼氏がさ、駅のホームで知らない女とキスしててさ」

「キ…………キスぅ?!ちょっとそれ浮気!!」

「まぁ、そうなんだけど、それより、なんかのドラマのギャグシーンの、悔しいです!ってセリフ思い出して1人で笑ってたの!ウケるでしょ!」


頭の中に、ちーちゃんが駅のホームで爆笑してる姿が思い描いた。ちーちゃんなら、その状況で笑いそう。笑えない状況で…………笑いそう。


私には笑えないよ…………。


だって、その悔しいです!ってシーン…………ギャグシーンじゃないよ?それが、ちーちゃんの本心なら、それはギャグじゃない。


本当は悔しかったんだね……。


私は…………悠太に彼女……彼氏ができて、そんなふうに笑っていられるのかな……?


でも、今はちーちゃんを元気にすることを考えよう。


「よし、今日はやけ食いに付き合ってあげる!!ケーキバイキング行こう!」

「それ、自分が食べたいだけだよね?」

「バレた?」

ちーちゃんは少し笑った。

「仕方ない。ミホのやけ食いに付き合ってあげる!」


そう言って私達はお腹を満たして心を満たした。


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