フラれる
18
それは、つまり、三角形関係って言うんだと思う。それ、一番めんどくさいやつ。
そんな事を思いながらミホと歩いていると、彼氏からLINEが来た。
話がしたいから今日会えないか?だって……。何の話?
「彼氏から呼び出しだ。何だろう?今日はミホと遊ぶって言ったのに……。」
「いいよ、いいよ。話はまた今度聞いてもらうから!」
「ごめん……。」
そう言って途中でミホと別れた。本当は彼氏と話なんかしたく無いんだけど……。でも、後々めんどくさいのも嫌だし、私は彼に会うために駅に向かった。
何となく、予想はついてる。彼がしたいのは多分別れ話。どうせ他に好きな人ができた~。とか言ってフラれる。付き合い初めは楽しいけど、何故か長続きしない。私は男を引き留めておけるほど魅力なんかない。
それでも男と付き合うのは、安心のため。彼氏がいれば、めんどくさい恋バナに参加しなくていい。他人の話を聞くだけでいい。
あ…………加島。駅の改札を通る加島が見えた。何となく、さっきの今で気まずくて、ホームに上がったのを見て、改札を通った。
加島と逆方面で良かった。
逆方面のホームに着くと、逆のホームに…………彼氏と知らない女がキスをしていた。
人前でキス?あり得ない!違う違う!待って?重要なのはそこじゃない。
彼氏と知らない女はそのままホームから移動していった。私がそのまま向かい側のホームを呆然と見ていたら…………向かい側のホームに加島が見えた。
何となくわかっていたから、別にショックじゃない。ショックじゃないけど…………何だろう……。悔しい。ふと、何かのドラマで見た台詞を思い出していた。
『お前ら試合に負けて悔しくないのか?』
『悔しいです!!』
何でこんな時にそんなシーン?!笑える!
「あははははははは!!」
思わず、声を出して笑っていた。
ばかみたい。バカは私……。
私は負けたんだ。負けたのに笑ってる。バカだ…………。
向かい側の加島と目が合った。1人で笑ってる所を見られた……?
『バカだな。お前の負けだ。』
加島に…………そう言われてるように思えた。