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覚悟


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「日野君は正直だね。」

そう思うんだったら少しは信じて欲しいんだけど……。

「じゃあ、催眠術かかるかな?あなたはだんだん眠くな~る~。」

「これは催眠術かかるな~」


冗談抜きで普通に眠くなってきた……。

「本当に眠くなってきてる。クスクス……。」

菜都実先輩の笑い声が心地いい。


「あ、お父さん帰って来た。」

え?お父さん帰宅?俺はすぐに目が覚めた。廊下から声が聞こえて来た。

「何ぃ?菜都実が男を連れて来た?今すぐここに連れて来い!!」


うわぁ~!修羅場じゃん!!俺殺される?!殺されるの?!

「取って食われないから大丈夫。挨拶だけ行こう。」

俺は菜都実先輩とお父さんのいる玄関へ行った。


俺は覚悟を決めて、正座して言った。

「菜都実先輩を僕にください!」

「はぁ?!」


菜都実先輩のお父さんは、俺の顔に顔を近づけて言った。

「何ぃ?!貴様ごときにやれる娘はいねぇんだよ!」

「あー!彼ね、酔っぱらってるから。酔っぱらった勢いで言ってるだけだから。」

菜都実先輩は冷静に、お父さんから俺の顔を離した。


離されたお父さんは廊下に寝転んで言った。

「ウッソで~す!娘三人いま~す!どれでもいいから、どれかもらってくんない?」

「あ、じゃあ菜都実さんを……。」

「だから、酔っ払いが酔っ払いの対応すんな!!」


今度はお父さんは泣き出した。

「娘を……娘をよろしくお願いします!」

「おいコラ!!お父さん!!ちょっと待て!!」

「こちらこそ!よろしくお願いします!」


やった!!菜都実先輩のお父さんに認めてもらった!!先行き好調だ!外堀を埋めていくのもありだな!


喜んでいる俺を見て菜都実先輩が、やっぱり冷静に言った。

「あー、気にしないで。お父さん、明日になったら全部忘れてるから。」


次の日…………菜都実先輩が言っていた通り、お父さんは何の記憶も無かった。


「え?そちらどちら様?……昨日?夜?いや?全然覚えてない。」


俺の覚悟は何だったんだ!?


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