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潰れた


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魔法が解けるっていつだよ?


「そうか!催眠術!その手があったか!」

「だからちょっと待って?催眠術で同棲しようとしてる?そもそも、そんなのかかるわけないじゃん!」


くっそ~!酒飲ませて持ち帰ろうにも、菜都実先輩は鬼のように酒に強い。もはやザルだ。


結局俺が潰れた。


「あれ~?先輩、日野をお持ち帰りですか~?」

「はぁ?バカな事言わないでよ!送って行くだけだよ!」


菜都実先輩は俺をタクシーにつめこんで言った。

「家、どこ?言わなきゃ本当に家に連れて行くからね?」

菜都実先輩の家?


それって…………ご実家ですよね?


俺が何も言わずにいると、しばらくするとタクシーが止まった。タクシーから降りると、マンションに入って行った。


玄関で、菜都実先輩によく似た女の子が出迎えてくれた。妹かな?

「お母さ~ん!おねえが男お持ち帰りしてきた~!」

「波瑠、うるさい!そんなくだらない事言うぐらいなら手、貸して。そっち持って!」


菜都実先輩の妹が肩を貸してくれた。なんか、菜都実先輩が二人……。幸せだ~!


「うーん、中の下。おねえにはもう少し上でもいいと思うよ?」

中の下って……中の下って妹に言われた……。なんか泣きそう……。


菜都実先輩のベッドに寝かせてもらった。菜都実先輩の匂いだ……。ヤバい……幸せ過ぎる……。

「日野君、大丈夫?お水……。」

菜都実先輩がペットボトルの水を持って来てくれた。


「ありがとうございます。」

俺は起き上がって、水を飲んだ。菜都実先輩は俺の隣に座った。

「菜都実先輩は酒、強くて羨ましいです。」

「え?そう?私は介抱された事ないから羨ましいよ?」

介抱されたいって……。


「何だか…………酔っちゃったみたい……。とか言ってみたいよね~!」

菜都実先輩はそう言って爆笑していた。

「それ、もう一度言ったら襲いますよ?」

「はぁ?!」

「そうゆう事男の前で言ったら、OKととられても仕方ないですからね?絶対言わないでくださいよ?」

まぁ、全然酔わない菜都実先輩は言わないと思うけど……念のため口止めしといた。


俺はペットボトルの蓋を閉めながら言った。

「まぁ、催眠術にかかれば酔えるんじゃないですか?」

「あー!確かに!」

「催眠術、実際にかけられたらいいですよね……。」

催眠術かけられたら…………菜都実先輩と…………


「ちょっとそれ、誰に何かけるつもり?」

「聞きたいですか?」

「うんん、いいや。遠慮しとく。お水、おかわりいる?」


すると、急に気持ち悪くなってきた。

「気持ち悪い……。」

「え、あ、トイレあっち!」


何とかトイレに間に合って……吐いた。菜都実先輩が背中をさすってくれた。何で俺の方が酒が弱いんだろう……。本当に…………情けない。

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