見られた
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「するなら芦原さんにだろ!?」
「しかし、それには一つ問題がある。僕は…………キス……とかしたことが無くて……。」
いやいやいやいや!!ファーストキスが男ってどうなの!?何?小崎ホモなの!?
「だから、加島、実験台になってくれ。」
小崎がまた俺の腕を掴んでどんどん迫って来る。怖い怖い怖い!!
小崎の顔が俺の近くに来た時……
「悠太~…………。」
その瞬間、ドアが開いて、芦原さんが部屋に入って来た。芦原さんは、俺達の様子を見ると、慌ててドアを閉めた。
「え…………あ…………ご、ごめん!!」
嘘…………だろ?
「あ…………美帆乃に見られた。」
見られた…………!芦原さんに見られた…………。
小崎とキスしそうになった所…………芦原さんに見られた!!!!
俺は頭を抱えて膝から崩れ落ちた。
終わりだ……。完全に勘違いされた!!そして一気に広まる……!!俺と小崎が付き合っているとかみんなに言われて…………うわぁ……。それはキツイ……。
「まぁ、未遂だから。落ち込むな加島。」
お前…………お前がそれ言うなよ!!小崎は芦原さんに見られてショックじゃないのかよ?!
「大丈夫だ。美帆乃を追いかけて事情を話せばいい。」
そう言って、俺の鞄を投げつけて来た。
俺は急いで小崎の家を出て、芦原さんを追いかけた。
芦原さんは、ゆっくり歩きながら泣いていた。俺に気がつくと、慌てて涙を拭いて言った。
「ご、ごめんね。二人の邪魔しちゃって……。」
「いや、あれは冗談だから!冗談!小崎はバカだから!バカ真面目だから!」
「悠太……年上好きじゃなくて、男が好きだったんだね……。」
いや、そうゆう事じゃないと思うんだけど……。
「私、悠太を諦めなきゃいけないのかな?」
そう言って、芦原さんは泣いていた。俺は、そっとその肩を抱いた。
もしかして…………小崎はわざと?わざと俺に迫ったのか?それを芦原さんに見せようとした?
それって…………小崎は俺の芦原さんへの気持ちに…………気づいてたって事じゃないのか…………?