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残酷描写があるのでご注意下さい。

 私は全てを思い出した。

 私の前世はアラサーのOLで、友達も恋人もいなかった。

 そんな寂しい私の趣味は乙女ゲーム。

 イケメン達に囲まれて、愛を(ささや)かれ、現実では体験できない事を二次元は全て叶えてくれた。

 働くのは乙女ゲームのため。生きているのも乙女ゲームのため。

 人生の全てを乙女ゲームに捧げたのが前世の私だ。

 思い出せるのは乙女ゲームの事ばかりで、なぜ死んだのかまでは思い出せない。


 そして、今私が生きている世界はお気に入りのゲームの1つ「恋と危険な生徒会」と酷似(こくじ)している。

 学校の名前、生徒会の人達の名前に容姿、先程目の前に立っていた女生徒はヒロインの水谷 朱梨(あかり)に違いない。

 あれはきっと、ヒロインと生徒会役員が出会うイベントだ。

 それに、信じたくはないが私の名前は星野 宇宙(そら)

 ヒロインのヤンでるライバル役と同じ名前だ。

 なぜヤンでると断言できるかと言うと「恋と危険な生徒会」の「危険」はコイツが原因だからだ。

 

 まず、ヒロインが好きになる相手を宇宙も好きになる。

 宇宙は前の学校でいじめにあい、既に精神を病んでいて、人への執着が人一倍強い。

 そのため、ヒロインの恋路を散々邪魔をするのだが……あれはもはやいじめではない。

 嫉妬に狂った殺人鬼だ。


 例えば生徒会長×ヒロイン。 

 お金の力でヒロインを誘拐した宇宙は、ヒロインを浴槽の中に拘束し、ゆっくりと浴槽に水を溜め、恐怖の中溺死させようとする。

 ハッピーエンドルートでは、後少しでヒロインの顔が水に沈むというときに会長が助けにくる。

 そして宇宙は逮捕後、精神病棟行き。

 バッドエンドではヒロインはそのまま溺死し、宇宙は完全犯罪を成し遂げる。

 しかし結局は精神病棟行き。


 他のルートでも強姦後絞殺(こうさつ)、臓器売買、監禁致傷などヒロインを殺そうとする。

 恋愛ごときで人を殺すなど、頭がいかれているとしか思えない。

 だから「危険」で「ヤンでる」のだ。


 そして私、星野 宇宙は最悪死ぬか、良くて一生精神病棟で暮らすかの二択しかない。

 乙女ゲームなのに、なんでそんな設定にした運営!!

 まぁ……確かにピンチに駆けつける攻略キャラ達はかっこ良かった。

 正直悶えた。

 星野ざまぁ!! とか思ってたよ。

 でも、それが自分の将来かと思うと怖すぎる!!

 もはや他人事ではない。

 一生精神病棟か死ぬかの二択とか、どっちも嫌すぎる。

 しかし、今の私はいじめられてはいたが、病んではいない。

 前世の性格が影響しているのかどうかは分からないが、ゲームとは少し違う現実。

 でも、いつかゲームの世界の影響で精神を病むかもしれない。

 油断は禁物だ。

 私は、平和に過ごしたい。

 私は決めた。

 星野 宇宙破滅ルート回避のため、生徒会とヒロインには関わらないでおこうと。

 



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