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魔界=魔王だっ! Next World  作者: リーマンズ・ハイ
2/13

 2話 魔導剣士、誕生!

 全員一致の驚愕のあと、大きなテーブルを

挟んで、そこにいる皆が座った。


私に色々、質問がありそうなので、

一旦、落ち着いて話を聞こうと思った。



「えーっと、では、ご質問をお受けしまーす」



 最初に口を開いたのは、

レイグリッドさんだった。


「あの、まず、魔王様の降臨と共に

 お名前も決まっているのですが・・」


「え?なにそれ?名前って自分で

 決めるんじゃないんだ?」


「はい、代々魔王様のお名前は降臨と共に

 授かるようになっております」


「へぇー、なんという名前なんですか?」


「此度は、ジェリーナ様と授かりました」


「えー?セリーヌじゃだめ?パパが付けて

 くれた名前なんですよ?」

 

「そ・・それなのですが、我々にはあまりにも

 唐突な出来事でして・・

 なにせシュベル様が、ダークエルフの村から

 戻られず、消滅されたのが、

 ほんの10日前の事でございまして・・」


「え?私がパパの娘かどうか、

 わからないってことなの?」


「い・・いえっ!決してそのような・・」


「うーーん・・ここでは10日かも知れないけど、

 私達の世界では20年経ってるんですよぉ?」

 

「は・・はぁ・・そのあたりが理解不能

 でございまして・・・」 


「うーん・・私にも説明のしようがないわぁ

 私だって、突然、ここに召還?されたしぃ」

 

私はしばらく考えた。


「そうだぁ!私ね、皆さんの事は、両親から

 よく聞いていたの。

 私も、両親から聞いた事を確認したいから

 これから話しますね?

 今はまだ、私は皆さんからそれほど詳しく、

 お話しを聞いてないから、知っているって

 いうことが、私がパパの娘っていう

 証拠になるでしょ?」


「おぉー・・それはそうでございますな・・」


 ザリアスさんが、言った。


「私はセリーヌ様のお話しを信じます。

 リリア様と生き写しでございます。

 髪の色と目の色が違いますが」

 

 アカさんがそういった。


「まぁ、アカ殿はシュベル様と同様に、

 旅に同行されましたから・・

 間違いは無いと思いますが・・

 ま、一度セリーヌ様のお話しを

 お伺いいたしましょう」


 レイグリッドさんの同意で話すことにした。


「まず、レイグリッドさんは、

 パパの執事兼教育係で

 口うるさいジーさんだって」


「な・・なんと・・」


 レイグリッドさんは、顔あからめ

 咳払いをした。


 他のみんながクスクスっと笑っていた。


「でもね、すごく信頼できる人だって

 言ってました」


「おぉ・・ありがたいお言葉・・」


「私の弟の名前はレイって言うんだけど、

 これはレイグリッドさんから、

 取った名前なんですよ?」

 

「おぉぉ・・なんと・・もったいない・・」


 レイグリッドさんは、ハンカチを出し、

目頭を押さえた。


「で、リベラさんは、すごい美人で・・」


「まぁ~・・嬉しいお言葉・・」


 リベラさんがニッコリ笑った。


「で、ネコみたいな気ままな性格なんですけど、

 やるときにはやる人だって。

 11種族の種族をまとめた人なんだって」

 

「あらぁ・・照れますわぁ・・」


 リベラさんは顔を赤らめた。


「ザリアスさんは、不器用な武人ですけど、

 勇猛果敢で、すごく自分には優しい人だって

 言ってました。

 最後の戦いで、ローゼリって人と戦って

 勝ったんですよね?」


「仰せの通りでございます」


「で、アカさんは、ずっと旅を一緒にしたって。

 ママも良く知ってるって。

 お肉が好きで、真面目な人だって。

 パパは兄弟みたいな人だって言ってました」

 

「・・シュ・・シュベル様・・」


 アカさんも涙ぐんでいた。


「で、ミリアさんは、竜で一番最初に

 名を授けた人だって言ってました。

 で、パパとママを助けてくれた恩人だって」


「・・はい・・・・」


 ミリアさんは、もうすでに

ボロボロ泣いている。

それ以上の声が出せないみたいだった。 


「アヤメさんは、一緒によく遊びに

 出たんですよね?

 海にいったりして、トラブルに巻き込まれて」

 

「は・・・はい!!そ・・そうです!」


「クロさんは、レイグリッドさんと一緒に

 ファデラ??とかいう国で、

 ゲランとかいう人と戦ったんですよね?」

 

「あ・・私は・・・木の根に縛られて

 おりましたが・・・面目ない・・」


「あと他にもいっぱい聞きました。

 パメラさんの事とか、ニコレちゃんの事とか」

 

 レイグリッドさんが、涙をふきながら言った。


「も・・もう、皆さん、間違いないようですな・・

 我らの偉大なる大魔王のご息女で、

 間違いありませんな」

 

 みんなは言葉もなく、頷いていた。


「で、レイグリッドさん、

 私、セリーヌのままでいいかな?

 パパとママから貰った名前を捨てたくないの」


「よろしいでしょう!魔界史上、初めての事

 でございますが、何よりも貴女様のお父上は、

 我々にとりまして、それ以上の存在で

 ございます。

 貴女様のお父上、シュベル様は、

 歴代の魔王様の実績を全て大幅に塗り替えた、

 大魔王様でございますから」


「へぇー!パパってそんなに凄かったんだぁ!」 


「我々の事は呼び捨てで結構でございます。

 私も、レイグリッドとお呼びくださいませ」

 

 するといきなり全員が立ち上がり、

私に向き跪いた。


 そして

「我が魔王に永遠の忠誠を!!」


 と言った。


「あ・・はいぃ・・よろしく・・」



一般的に魔王ってイメージが悪いけど

私は昔から両親にお話しを聞かされてたから

全くそんな概念は無い。


弟のレイも、魔王ごっこで魔王役をしたがる

ぐらいだし。


私にとって魔王はヒーローだ。

そんなヒーローになれるって、最高!!


でも、何をすればいいんでしょうか??

それに私にはどんな力があるのか、わかんない。



魔王城がもうすぐ完成するって

レイグリッドが言ってた。

なんかその時に、私のお披露目をするらしい。

何万もの魔族が集まるって聞いた。


うわぁーー・・なんか緊張する。


 翌日に、リベラが部屋にきた。

ミリアも一緒だった。


2人とも、超美人。

パパっていつもこんな美人に囲まれてたんだ。


「セリーヌ様?そろそろお召し物を

 変えないと・・」


 リベラが言う。


 私は寝間着替わりにしてた、

マディダスのジャージのままだった。

でも、これ気に入ってるのよねぇ。


「どんな服に着替えるの?」


「これらの中からお選びください」


 ミリアが何着か持っている。


 うっわ、ドレスばっかだ。

それも動きにくそうなヒラヒラ。

ミニスカートもないし。


「あ・・あのぉ・・

 これしか、ありませんか?」


「あらぁ・・お気に召しませんかぁ?」


 リベラが不安そうな顔をした。


「う・・ううん。キレイだなぁとは

 思うんだけど・・

 なんていうか・・こんなの着たこと

 ないし・・」


「きっと、お似合いです!

 セリーヌ様はお美しいですから!」


 ミリアがニッコリ笑って言う。


「あぁ・・そうですか・・はぁー・・」


 私は窮屈そうなのはイヤなんだけど・・


「あ・・・あの!パンツ姿は、ダメでしょうか?」


「パンツ姿・・ですかぁ?うーん・・」


 リベラが困ったような顔をした。


「リベラさん、お願い!!

 私、ずっとスポーツしてたから

 動きやすい服じゃないとダメなの!」


「す・・スポーツ??ってなんでしょうか?」


「あーーえーーほらっ!走ったり、波に乗ったり!

 あ・・あと、ケンドーとか!」


「ケンドー??」


「あーえー、剣を振って戦うの」


「あぁ。剣闘でございますね?」


「ま・・まぁそんな感じかと・・」


 リベラがニコッと笑って言う


「いいですよ。私が探して参りましょう。

 ミリア、探しに行きましょう!」

 

「はい!」


2人が部屋からアタフタと出て行った。


入れ替わりにレイグリッドが入ってきた。


「セリーヌ様、ドレスはお気に召さなかった

 ようですね?」


「私、リベラさんとかミリアさんみたいに、

 おしとやかじゃないの・・

 ジッとしているの、苦手というか・・・」


レイグリッドがクスッと笑った。


「シュベル様とよく似ていらっしゃる・・」 


「えーーーっ!パパと一緒にしないでよぉ。

 まぁ、ママにも言われたけど・・」 

 

「お母さまのお見立ては正しいかと・・」


「そうかな・・うーーん・・」


「ところでセリーヌ様、貴女様の適正を

 これから調べなければなりません」

 

「適正って・・なぁに?」


「セリーヌ様はお父上の膨大な魔力を

 授かっております。

 しかし、特性は魔法なのか、

 はたまた剣なのか武闘なのかは、

 お調べしないとわかりません」


「え?パパと同じ魔法士じゃないの?」


「ええ。お父上は偉大な魔法士で

 いらっしゃいました。

 ずば抜けた魔法特性をお持ちでしたから」


「それで、調べたあとは?」


「はい。その特性に従って、訓練を施します。

 スキルや魔法を身に付けるのは訓練にて

 手に入ります。

 魔力が大きければ大きいほど

 短期間であらゆるスキルや魔法が手に入ります」

 

「私も、何ができるか気になってたところなの。

 いいわ!調べてください!」

 

 レイグリッドに連れられ、ある部屋に

向かった。

入った部屋は薄暗くて、部屋の真ん中に、

グリーンに発光する大きな筒状のモノがあった。


「これは・・なに?」


「これはジャッジメントスケールと言いまして

 この中に入っていただくと

 先ほどの特性が、この筒状の所に

 表記されて参ります」 

 

 周りに人がいっぱいいた。20人ぐらい?

学者風の人や、軍人っぽい人。

ザリアスも、アカもいた。

リベラも私達の後ろから走って入ってきた。


「セリーヌ様、今、お召し物をミリア

 が探しております。

 今、しばらくお待ちください」


「いいですよ。私はこのままでも全然いいし!」


 みんな私がどれほどの者か、きっと興味深々

 なんだろうな。

 あんまり期待されると嫌だなぁ。


「では、そちらの中にお入り頂いても

 よろしいですかな?」


 レイグリッドに促され、グリーンに光る

筒状の中に入った。

中は意外と広くて、5~6人入っても

広いぐらいだった。


「セリーヌ様、両手を広げて、上を向いて

 頂いてもよろしいでしょうか?」


「はい」


私はレイグリッドの言う通りにした。


 すると、光のシャワーのようなモノが

私の全身を包んだ。


目の前の筒状の壁を見ると、色んな文字や

数字が左から右へと流れるように出てきた。


「おぉーー!!これは!!」


「すごい!!こんなの初めてだ!!」


なんかすごいことになってるみたい。


「レイグリッド様・・これはスゴイですな

 我が軍のトップレベルの戦士の十数倍です」

 

「あらぁ・・魔法特性もスゴイですわよ?

 シュベル様と同等か、もしかすると・・

 それ以上かも・・」

 

「うむ。属性は全属性ですね。中でも

 光属性が強い。

 シュベル様は剣特性はサッパリで

 したからな・・

 おそらく剣特性と光属性はリリア様の

 血を受け継いでいらっしゃるのでしょう・・」

 

 あ・・なんか指輪が光っている。

あーやっぱり魔法の指輪かも。


「セリーヌ様、もう結構でございます。

 お疲れさまでございました」

 

「え?もういいの?じゃぁ出てもいいのね?」


「はい」


 私はグリーンの筒から出た。


「で、私、どうだったの?」


 レイグリッドに聞いた


「はい、さすが偉大なる大魔王様のご息女

 でいらっしゃいます。

 シュベル様の特性はそのまま引き継いで

 いらっしゃいます、それと同時に剣特性が

 素晴らしい結果が出ました」


「ということは、私は・・魔法士?なの?」


「いえ、これは希少な魔導剣士でございます」


「魔導剣士ってそんなに凄いんですか?」


「数は多くありません。剣に魔法を付与される

 と同時に特殊なスキルが使用できます。

 貴女様は特に光属性が強くていらっしゃる。

 リリア様の特性を受け継いでいらっしゃる

 のでしょう」


「じゃあ、訓練すれば強くなれるのね?

 ちょっと楽しみだわ」

 

「ええ・・まぁそうなのですが・・」


レイグリッドが口をこもらせた。


「実は、魔界には魔導剣士を訓練できる者が

 おりません。

 この世界にもいるかどうか・・・」


「えーっ!じゃぁ、

 私、宝の持ち腐れってやつ?」


「まぁ、剣と魔法はある程度までは

 訓練できます。

 魔導剣士はさらにその先に

 あるものですので。

 まずはアカ殿に調べさせましょう。

 この世界の魔導剣士の存在を」

 

「私はこれから何をすればいいの?」


「魔法と剣の訓練に励んでいただきます」


「いいわ!面白そう!」


私は魔導剣士かぁ・・なんかカッコいい!!

ケンドーも好きだし、ちょうどいいわね!


パパ、ママ、寂しいけど

この世界って最高!!

いつか帰れるときがあれば

今度は私の物語を話してあげるね!

レイも待っててね!!


私は単純に、はしゃいでた。

地獄の訓練が待っているとも知らずに。

 

  

    

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