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勇者系ロボットが目覚めたら、敵はとっくに滅んでた ~ロボもの世界の人々~  作者: コーキー
第一章「覚醒! その名はジェイカイザー!」
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第1話「ジェイカイザー起動!」【Fパート 乗っ取られた携帯電話】

 【4】


 裕太の携帯電話がジェイカイザーに乗っ取られてから数分後。

 2人の乗ったジェイカイザーは寺沢山の背の高い木が生えている場所へと静かに降り立った。

 そのままジェイカイザーを屈ませ、可能な限り姿勢を低くさせる。


 裕太は乗るときとは逆の順序をたどるように、操縦席の操作盤(コンソール)を操作し、コックピットハッチを開く。

 そして階段タラップとなったハッチを軽快に降り、外の空気を大きく吸った。

 辺りはフクロウか何かなのか、鳥の鳴き声と風を受けて葉が擦れる音に包まれている。

 裕太はエリィが降りたことを確認し、ジェイカイザーがうまく木々の陰に隠れていると判断して、吸った空気をため息にして吐いた。


「多分、ここなら大丈夫だろう……けど」


 裕太は恨めしい表情で、乗っ取られた携帯電話の画面を睨みつける。

 画面の中では、ジェイカイザーの顔を模したアイコンがピョコピョコと跳ね回っていた。

 試しにその顔アイコンを思いっきり人差し指で連打してみたが、全く反応がないのを見るにそういう機能はなさそうだ。


『なるほどなるほど、この端末はかなりの性能のようだ! よし、私はここからこの世界の情勢を調べ、身の振り方を考えることに決めたぞ!』

「勝手なことを言いやがって……! そのうち解析して追い出してやる!」


 いきどおる裕太の横から、エリィは裕太の携帯電話の画面に並ぶのアイコンの一つを指差した。


「ねぇねぇジェイカイザーくん、その携帯のそこのフォルダ、開いてみて」

『ん……? なんだこれは……秘蔵コレクショ……』

「だぁぁぁっっっ!? それは見るなぁぁっっ! てめぇぇえ、絶対に追い出してやるからなぁーーっっっ!!!」


 裕太の悲痛な叫びが、寺沢山の中に虚しく響き渡った。


  ……続く



─────────────────────────────────────────────────


登場マシン紹介No.1

【ジェイカイザー】

全高:8.9メートル

重量:8.8トン


 裕太達の前に突然現れた、ヒーローチックな外見の巨大ロボット。

 自我を持ったAIを搭載しており、火器管制の制御や搭乗者不在時の操作などを行いパイロットを支援するシステムがある。

 固定武装として、顔の両側面に11ミリガトリング砲を装備している他、腕部や胸部などに用途不明のモジュールが見られるが、システムによって封印されているのか現在使用することはできない。

 動力は未知の永久機関とみられ、激しい運動でエネルギーを消費しても数分で瞬く間にエネルギーが充填される。

 デザインやサイズ等、様々な部分がキャリーフレームの規格からは外れており、ジェイカイザーはキャリーフレームとは別の技術形態で作られたものと予想される。

 【次回予告】


 ジェイカイザーという奇妙なロボットのAIとの共同生活が始まった裕太。

 彼を待っていたのは、無免許運転とキャリーフレームの不法所持による逮捕だった。

 試験に合格すれば無罪放免と言い、裕太たちへと勝負を仕掛ける警察部隊。

 裕太とジェイカイザーの、初陣が幕を開けた。


 次回、ロボもの世界の人々第2話「教習! クロドーベル!」


「ば、ば、ば……罰金はどれくらいになる!?」

「んーとだな、50万円以下の罰金。または3年以下の懲役」

「ご、ごじゅうまん……俺の、貯金が……」

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