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勇者系ロボットが目覚めたら、敵はとっくに滅んでた ~ロボもの世界の人々~  作者: コーキー
第一章「覚醒! その名はジェイカイザー!」
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第6話「死闘! 海中決戦」【Fパート 海の中の攻防】

 【7】


 ジェイカイザーの全身が海水に浸かり、操縦レバーやペダルがぐっと重くなる。

 海底の岩場に足をつけ、裕太は周囲を見渡した。

 陽の光が海面で屈折し、波に揺られることであたりが動くスポットライトに照らされるようにテラテラと明暗を繰り返す。

 所々に突き出た岩の陰からは魚の群れが出たり入ったりを繰り返し、水底に斑点模様を描き出していた。

 辺りを警戒しながら、重い操縦感に裕太は手足を慣らしながらジェイカイザーに話しかける。


「……勢いで飛び込んだは良いけどさ。ジェイカイザー、お前水中でどれくらい動けるんだ?」

『低い方からC・B・A・Sの4段階のうちで表すなら、Bくらいだぞ!』

「それって割とダメな方じゃねーか! ……っと、奴のお出ましか!」


 裕太がツッコミを入れている間に、岩陰から巨大な影が姿を現した。

 差し込む太陽光をオレンジ色の装甲で反射しながら、〈カブロ〉はハサミの間からミサイルのようなものを射出する。


「笠本くん! あの〈カブロ〉は改造されてるみたいよ! 大きなハサミから放たれる魚雷に気をつけて!」

「銀川、わかった! さっさと片付けてやる!」


 陸上のときに比べて重いレバーを力強く捻り、ジェイカイザーにショックライフルを構えさせる裕太。

 正面から接近する魚雷に照準を合わせ、引き金を引く。

 ……だが、銃口から淡い光が一瞬出るだけで、いつもの光弾は発射されなかった。


「な、何で撃てないんだ!?」

『裕太、避けろ!』

「何!? うあああっ!?」


 咄嗟にシールドで受け止めたものの魚雷の直撃を受け、後方へとふっとばされるジェイカイザー。

 裕太はとっさにバーニアを噴射させブレーキをかけようとしたが、間に合わずジェイカイザーの背中にぶつかった岩盤が砕け散る。


「笠本くん大丈夫!? ショックライフルの弾はそこじゃ海水に放電しちゃうから発射できないわよぉ!」

「先に言ってくれよ! 銀川、〈カブロ〉に弱点はないのか!?」

「えーっと、もとは海底探査用だから外からの圧力には強いし、ハサミ状のアームは鉄骨を挟み潰すくらいのパワーが有るわ!」

「それ強い部分じゃねーか!」

『裕太、今度は左だ!』


 ジェイカイザーの声に反応して左を向くと、〈カブロ〉がハサミを構えながら接近してきていた。


「突進攻撃!? ……ミサイルは弾切れか!」


 慌ててバーニアを吹かせ、姿勢を下げるジェイカイザーだが、回避が遅れたためか左腕が〈カブロ〉のハサミに掴まれてしまった。

 ミシミシという痛々しい音とともに亀裂が入るジェイカイザーの左腕。

 祐太はショックライフルの接射をしようと右腕で銃口を〈カブロ〉に押し当てるが、引き金を引く前に離脱されてしまう。

 ジェイカイザーのもとから一時後退した〈カブロ〉は、回り込むような動きで再び突進を仕掛けてこようとしていた。


「こいつ、手強い……!」


 裕太は小声でつぶやきながら、操縦レバーを握る手に力を入れた。



 ※ ※ ※



 操縦レバーを押し込んで〈カブロ〉を旋回させながら内宮はジェイカイザーの手応えのなさにコックピット内でほくそ笑む。


「……なんや、水中やと大したことあらへんなぁ! 訓馬はんにデータ渡すまでもない、ここでうちが潰したるわ!」



   ───Gパートへ続く

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