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勇者系ロボットが目覚めたら、敵はとっくに滅んでた ~ロボもの世界の人々~  作者: コーキー
第一章「覚醒! その名はジェイカイザー!」
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第1話「ジェイカイザー起動!」【Cパート 一方的な痛さと怖さ】

「来い! ヘルヴァニア銀河帝国め! 青く美しい地球の平和はこの私が守る!!」


 勇ましく名乗りを上げたジェイカイザーは、驚く裕太のことなど気づいてないとばかりにガラの悪い男二人を指差した。

 突然現れた巨大ロボットに指さされたことで小太りの男はやや取り乱したような顔をして、細身の男の影に隠れるように後ずさる。


「あ……兄貴ぃ! 変なキャリーフレームが出てきたッス!?」

「あぁん? 何もないところからあんなデカいのが出てくるわけねえだろ! どうせ立体映像だ!」


 冷静さを失いうろたえる小太りの男に反して、細身の男は強気の姿勢を崩さず一歩踏み出した。

 細身の男の立体映像という言葉を聞いてか、ジェイカイザーは大きな頭で頷き口を開く。


「よくわかったな!」

「立体映像なのかよ!?」


 思わずジェイカイザーにツッコミを入れる裕太だが、そのやり取りを聞いて舐められたと感じたのか、細身の男は鬼の形相でナイフを取り出し裕太に向けた。


「ガキが、ふざけたマネをしやがって! もう許さねえぞ!」

「!」


 キラリと光るナイフの刃を見て恐怖を感じたのか、裕太の背中を掴むエリィの指に力が入る。

 強く掴まれた部分に少し痛みを感じるが、怯えるエリィをこれ以上不安にさせないよう、裕太はただじっと細身の男を見据えていた。


 すると突然、ジェイカイザーの両目がピピピと音を発すると同時に、キラリと光り輝いた。


「凄まじい敵意を確認……! 貴様、ヘルヴァニア軍だな! ジェイバルカンッ!」


 叫びとともにジェイカイザーの頭部両脇にあるふたつの機関砲から、乾いたような音とともに無数の弾丸が放射された。

 その弾丸はガラの悪い男たちの両隣を、弾痕で「=」(イコールマーク)を描くように地面へと食い込んでいく。

 やがて機関砲は、男たちの後方に停まっていた2脚バイクを蜂の巣にし、一瞬にしてスクラップへと変えていった。

 そして、原型を失った2脚バイクから漏れ出した燃料に、火花が引火する形で起こる大爆発。

 かろうじて原型を保った2脚バイクの片足が、ガシャンと大きな音を立てて男たちの横に落下した。


「ほ、本物ぉ!?」


 自ら立体映像と言い放った存在が実弾を発射したのを見て、度肝を抜かれたようにエリィが叫ぶ。

 一方裕太はこのロボットが実体をもった立体映像なのか、この声の主が別の場所から発砲したのではないかと考えを巡らせつつ、無言で辺りを警戒していた。


「あなたって立体映像じゃないのぉ!?」

「私が出現する際の魔法陣が、雰囲気出しのための立体映像だと言ったのだ!」

「そっちがかよ! まぎらわしいわ!」


 ジェイカイザーは、裕太のツッコミを意に介さないで、バイクを破壊されて顔を青くしている男たちに、次はお前たちの番だと言わんばかりに顔を向けた。

 それは同時に、ジェイカイザーの顔の両脇にある機関砲を向けることを意味している。


「ヘルヴァニア軍め! 一方的な暴力を振るわれる恐ろしさを、この私が教えてやる!」


 小太りの男は、先程自分たちの乗っていた2脚バイクを破壊した武器を向けられ、情けない声を上げながら腰を抜かした。


「に、逃げるぞぉー!」

「俺ぁまだ死にたくねぇよー!」


 子分を置いて先に逃げ出す細身の男と、彼を追って四つん這いの格好で逃げていく小太りの男。

 裕太は脅威となっていた男たちが去っていったため、ため息の一つでもつきたかった。

 しかし背後に立つ巨大な脅威を考えるとまだ安心することはできない。


 巨大な脅威ことジェイカイザーは、警戒心を解かない裕太たちの方を向き、かがみ込んで腹部のコックピットハッチを開いた。


「さあ君たち、ヘルヴァニアの戦闘機が接近している! 早く私の中へ乗り込め!」

「誰も乗っていない……!?」


 裕太はてっきり、ジェイカイザーには饒舌なパイロットでも乗っていると思っていた。

 しかし目の前にある空席のコックピットは、裕太の考えが間違いであったことを証明していた。


「何をしている! 戦闘機がすぐそこまで迫っているんだぞ!」


 驚き固まっている裕太に、必死にコックピットへと入るように急かすジェイカイザー。

 埒が明かない2人のやり取りを見て、「はぁ」とエリィがため息をひとつついて、ジェイカイザーに言った。


「……あなた、いろいろ勘違いしているわよぉ」

「勘違いとは……?」


 エリィの言った言葉の意味が理解できなかったのか、ジェイカイザーは大きな首を斜めに傾げた。

 裕太はその間に、いったん目を閉じて火照った顔に夜風を感じ、頭を冷やす。

 冷静になった頭で、裕太はジェイカイザーが何を勘違いしているのか理解し、そして指摘した。


「ヘルヴァニア銀河帝国との戦争は、20年前にとっくに終わったよ」

「そうか、ヘルヴァニア帝国が……! な……なんだってぇぇぇぇ!?」


 静かな校庭に、ジェイカイザーが発した驚愕の声がこだました。



    ───Dパートへ続く

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