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第14話「メイド・イン・パニック」【Jパート 天才の祝勝会】

 【11】


 避難していた人々が各々の家にかえる姿を窓越しに眺めながら、裕太たちは無事だった進次郎の家で食卓を囲んでいた。

 岡野とジュンナの手で次々と並べられる豪勢な料理は、見るだけで口の中によだれを溢れさせる。


 料理を並び終えたふたりが席についたところで、進次郎がジュースの入ったコップを手に持ち立ち上がった。


「では、ジュンナさんのメイド修行の成就を願い、また裕太の勝利を祝って……乾杯!」

「「「「乾杯!!」」」」


 皆で一斉にコップを掲げ、そして料理に箸を伸ばし始める。

 裕太は手近にあった野菜炒めを小皿に盛り、口へと運び入れる。


 その瞬間、裕太の味覚に電撃が走った!


「う・ま・い・ぞぉぉぉ!!!」


 たかが野菜炒めと侮るなかれ。

 柔らかくもその芯を失わない炒め具合の野菜、素材の味を殺さず存分に引き出しながらも決して空気にならない神の如き調味料の配分。

 一口一口が裕太の舌を感動させ、料理というものへの認識を改めさせていく。


「ほんと、おいしいわぁ!」

「これが美味しいって感情なんですね!」

「うまいニュイ~」

「やっぱすごいんだなプロのメイドさんって! ジュンナも岡野さんに習えばこんな料理が作れるように……」


 そう言いかけたところで、裕太は岡野の態度が変なことに気づいた。

 褒められることが嫌なのか、目線をそらしている。


「……どうしたんですか岡野さん?」

「えっと、この料理は私が作ったものではなくてですね……」


 岡野がチョイチョイと指差す方向に視線を動かすと、その先には進次郎の姿。 嫌な予感がしつつも、裕太は念のため進次郎へと訪ねた。


「まさか、これ全部お前が?」

「もちろんじゃないか、裕太! なにせ僕は天才だ、出来ないことなど運動以外にあまりないのだよ! さあ! 惜しみなく賞賛し、舌鼓を打つがいい! フハハハハ!」


 進次郎の高笑いが響く中、メイドさんの手料理だと思いこんでいた裕太はガックリと肩を落とした。



 ……続く!



─────────────────────────────────────────────────

登場マシン紹介No.14

【バルバロ】

全高:8.2メートル

重量:7.1トン


 JIO社製の山岳調査用キャリーフレーム。

 クモやカニにも見える6本の足を巧みに動かすことでどんなに荒れた地形でも安定して静止できる。

 戦闘用ではない上、標準的なマニピュレーターも備えていないため戦闘能力は皆無。

 名前の覚えにくさ、言いにくさに定評があり、バルバロマニアは間違えられるたびに「バルバロだぞ!」と訂正しなければならないとか。

 【次回予告】


 裕太が病で倒れ、不在の日。

 エリィたちは、サツキを姉と呼ぶ少女と出会う。

 そして事件に巻き込まれる彼女たち。

 その時、勇気を振り絞ったのは……。


 次回、ロボもの世界の人々第15話「裕太のいない日」


「水金族にも姉妹とか兄弟の概念ってあるのねぇ」

「い、いえ。そういうことではなくてですね、私の身体(・・・・)の妹だと思うわけですよ」

「???」

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